開発者は最高の成果を上げたいと考えています。組織はそのための力を開発者に提供したいと考えています。ソフトウェア開発製品を扱う企業は、開発者に自社のツールを採用してほしいと望んでいます。開発者の生産性と影響力の向上に寄与する優れた開発者エクスペリエンスは、こうした状況で重要になってきます。
開発者エクスペリエンスが優れていると、開発者は基盤となるテクノロジーに手を煩わされることなく、ビジネスに価値を提供してユーザーや企業にプラスの影響をもたらすという本来の役割に専念できます。テクノロジーはたしかに重要ですが、あくまで目的(この場合はデジタルエクスペリエンス)を達成するための手段であるべきです。
一方、開発者エクスペリエンスが低いと、手持ちのタスクの遂行に手間がかかり、仕事の満足度が低下するおそれがあります。ソフトウェアを設計、テスト、リリースしづらくなればなるほど、組織に対する開発者の信頼は薄れていきます。また、パフォーマンスの低下は仕事の満足度の低下にもつながります。
さらに、開発者エクスペリエンスが低いと、開発者の時間が技術的な問題や課題の解決に奪われてしまい、ビジネスに価値を創出する余裕がなくなってしまいます。
開発者エクスペリエンスと開発者の生産性
開発者エクスペリエンスと開発者の生産性は密接に関連していますが、概念としては異なります。
開発者の生産性は、高品質なソフトウェアを速いペースで提供することを指します。
一方、開発者エクスペリエンスは生産性向上の手段です。開発者エクスペリエンスが優れていると、エンジニアリングチームの生産性と効率が向上します。
ところで、「生産性が高い」とはどういうことでしょう。DevOps Research & Assessment(DORA)プログラムによると、開発チームのパフォーマンスは以下に示す4つの主要なメトリックに基づいて測定されるそうです。
- デプロイ頻度(Deployment Frequency: DF)
- 変更のリードタイム(Lead Time to Changes: LTTC)
- 平均復旧時間(Mean Time to Recovery: MTTR)
- 変更失敗率(Change Failure Rate: CFR)
優れた開発者エクスペリエンスは、開発チームを支え、これらのメトリックの改善を促します。
優れた開発者エクスペリエンスとは
優れた開発者エクスペリエンスを提供する製品には、以下のような特長があります。
- スムーズな学習曲線: 開発者が製品の使用方法をすばやく習得して、すぐに価値を提供できるようになります。これは企業にとってのメリットであると同時に、すぐに効果を実感できるという点で開発者の意欲も向上します。特に、初級・中級開発者の場合は、チームをすばやくまとめて価値を提供できるようになります。
- 快適なエクスペリエンス: テクノロジーが直感的に使用できる設計になっています。
- 生産性: 開発者が価値の低い単調なタスクに時間を費やすのではなく、重要なこと(差別化や独自性の確保)に集中できるようテクノロジーが支援します。この鍵となるのが、依存関係の管理や反復的なタスクといった非常に単調な開発タスクの自動化、開発者とエンドユーザーの両方がソフトウェアの変更の影響を即座に確認することを可能にするゼロ遅延、コンポーネントを一から作成するのではなく、ビルド済みのものを利用して今後の製品/プロジェクトをさらに高速化する再利用性です。
- デフォルトの品質: 優れた開発者エクスペリエンスにより、開発者が将来を見据えた品質の高いデジタルソリューションを提供することが可能になります。ビジネス要件は絶えず変化しますが、優れた開発者エクスペリエンスがあれば、市場の需要に合わせてアプリケーションを簡単かつ迅速に変革・変更することができます。
- コラボレーション: 昨今、開発はチームの共同作業になっています。優れた開発者エクスペリエンスは、組織横断的な開発者チームで定期的にわかりやすいコミュニケーションをとって依存関係の管理やコードのマージを行えるようにするだけでなく、開発チームと他のステークホルダーやペルソナ(QAエンジニアからビジネス部門のステークホルダーやエンドユーザーに至るまで)とのコラボレーションも促進します。開発者がステークホルダーとのやりとりに時間を浪費しなくてすむよう、テクノロジーによってビジネス部門のフィードバックを迅速に収集する手段を提供することで、最終製品にビジネス要件を反映させられるようになるのです。これにより、新製品を市場にリリースするまでの期間を大幅に短縮できるようになります。
OutSystems: 開発者エクスペリエンスを考慮した開発
開発プロセスの複雑化に対応できるよう、OutSystemsの高性能ローコードプラットフォームは、あらゆる面でアプリやシステムの作成時に直面しがちな複雑さを取り除き、開発者の作業を効率化する設計になっています。
OutSystemsでは、開発者の生産性とエクスペリエンスの向上に関わる製品機能について何らかの決定をする際には、必ずある大原則に従うようにしてます。
それは、「自動化、抽象化、加速」をできる場合は必ず行うということです。OutSystemsの最終的な目標は、開発者の生産性を100倍まで高め、組織のイノベーションを支援することなのです。
OutSystemsプラットフォームの詳細については、OutSystemsプラットフォームのページを参照するか、または「Remove Wasted Development Time with a Modern Cloud Dev Platform(最新のクラウド開発プラットフォームで開発時間の浪費をなくす)」のウェビナーをご覧ください。