ハイパーオートメーションとは

• 効率の向上: ハイパーオートメーションを導入すると、反復的なタスクや手作業のタスクを自動化し、業務を効率化することが可能になります。こうしたタスクを自動化することで、創造性やクリティカルシンキング、問題解決力を要する、より価値の高い作業に注力できるようになります。
• 生産性の向上: タスクの完了までに要する時間や労力が減り、生産性が向上します。ハイパーオートメーションによってビジネスプロセス全体を効率化・最適化することで、ボトルネックをなくし、手作業によるエラーを減らすことができます。そのため、従業員がより短時間でより多くの成果をあげられるようになります。
• コストの削減: タスクやプロセスを自動化することで、手作業、人為的ミス、手直しに伴うコストを圧縮できます。時間のかかる反復的な作業が不要になり、エラーの可能性が最低限になるため、長期的なコストも削減できます。
• 精度と品質の向上: 自動化によってタスクの実行における一貫性と正確性を確保できます。人為的な介入を最小限にすることで、疲労、注意散漫、注意不足によるエラーの可能性が減ります。その結果、ビジネスプロセスの品質、精度、信頼性が向上します。
• 拡張性と俊敏性: ハイパーオートメーションでは、オートメーションイニシアチブを組織の複数の部門や職務に拡大することができます。作業量が増加しても、リソースを増やすことなく柔軟に対応できます。また、ハイパーオートメーションでは複数のテクノロジーを組み合わせて活用するため、自動化機能を調整、進化させることで、ビジネスニーズや市場ニーズの変化に対応することも可能です。
• データに基づいたインサイト: 自動化によって生成される大量のデータを分析すると、貴重なインサイトを得ることができます。ハイパーオートメーションでは、AIテクノロジーや機械翻訳テクノロジーを活用することで、自動化プロセスの実行中に収集したデータから有意なパターン、傾向、インサイトを抽出することが可能になります。こうしたインサイトを活用すると、情報に基づいた意思決定の推進や、プロセスのさらなる最適化、改善の機会把握ができるようになります。
• カスタマーエクスペリエンスの向上: 自動化プロセスによって全体的なカスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。応答時間の短縮やエラーの削減、顧客との一貫性のあるやりとりが実現します。その結果、顧客満足度、顧客ロイヤルティ、顧客定着率が向上します。

ハイパーオートメーションを支えるテクノロジーの例

代表的なハイパーオートメーションテクノロジーとしては以下のようなものがあります。

• ロボティックプロセスオートメーション
• ビジネスプロセスオートメーション
• デジタルプロセスオートメーション
• ローコードプラットフォーム
• バーチャルアシスタント/対話型AI
• 自然言語処理（NLP）
• サービスとしての統合プラットフォーム（iPaaS）
• 光学文字認識（OCR）
• デジタルツイン
• プロセスマイニング
• タスクマイニング

こうしたテクノロジーの多くは、人工知能（AI）や機械学習（ML）のアルゴリズムが組み込まれているか、これらを備えたツールと連携しており、プロセスの次の手順の自動化やインテリジェント分析を行うことができます。

ハイパーオートメーションのユースケース

複数部門の担当者による手作業を伴う、作業量が多く反復的なプロセスは、ハイパーオートメーションを適用するケースとして最適です。

また、時間のかかる（機械で処理したほうが速い）プロセスや、監査証跡が必要なプロセスのほか、データ量が多く、自動化なしでは実行不可能なプロセスの場合にも大きなメリットが得られます。AI分析やML分析を活用できる場合はなおさらです。

ハイパーオートメーションを適用したプロセスの例をいくつか紹介しましょう。

• データの抽出: OCRでは、スキャンまたは撮影されたドキュメントやPDFからデータを抽出して、マシンで読み取り可能な形式に変換することができます。読み取ったデータは、機械学習ツールを利用して内部やサードパーティのデータベースと照らし合わせたうえで補正し、CRMやERPなどのシステムに送信することもできます。ハイパーオートメーションによるデータ処理は、経理部門、サプライチェーン、保険会社、法律事務所など、構造化データと非構造化データを両方含むドキュメントを大量に取り扱う組織での活用が見込まれます。
• カスタマーサービス: カスタマーコールセンターのサービス通話を自動的にテキストに書き起こし、そのテキストをNLPを利用して修正できます。その後、NLPでこれらのテキストやチャットボットの記録にパターンを見だすことで、問題の傾向の特定、顧客の感情の計測、Webサイトや自動音声案内のセルフサービスオプションの内容の改善、担当者のトレーニングの支援、チャットボットのパフォーマンスの改善などを行うことができます。