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ビジネスに不可欠な不動産取引管理システムを再構築したColliers International

17,000人 新しい基幹システムのユーザー数
99% 手数料の計算スピードの向上
100社 600以上の部門とともに効率化を達成した法人数
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不動産サービスおよび投資管理の世界的大手企業であるColliersは、取引管理システムのモダナイゼーションを進める必要がありました。Colliersは、OutSystemsを導入して新しい「Our Deals」システムを開発し、世界中にロールアウトしました。

単一システムが複数の国で稼働することによって、ユーザーエクスペリエンスの向上、ビジネス主導のアジャイル開発アプローチの実現をはじめとする多くの成果が得られました。

  • ケース管理
  • 業務効率の向上
  • デジタルコアシステム
  • Webアプリ/ポータル
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「とてもよかったと感じているのは、テストアンドラーンのアプローチが可能になったことです。短期間で実験ができるため、リスクやコストが少なくてすみます」

Mihai Strusievici氏 Colliers IT部門グローバルバイスプレジデント
課題

業界の変化と様々な国のニーズへの対応

不動産サービスおよび投資管理の世界的大手企業であるColliersは、不動産の入居者、所有者、投資者に対し、資産価値を最大化するための専門的助言を提供しています。68か国で事業を展開し、18,000人以上の専門家を擁し、35億ドルの収益をあげ、330億ドルの資産を管理しています。

商業不動産は、複雑で非常に多岐にわたっています。複数の当事者が関わり、特定の取引では、Colliersが投資者の代理人になることも、所有者の代理人になることも、複数の入居者の代理人になることもあります。この多様性のために既製のソリューションはColliersにあまり適合せず、独自の取引追跡システム(「DTS」)を開発してCRMや会計システムと併用していました。

長年DTSでは、急速な業界の変化によってカスタムアップデートが必要になると、多様な国ごとの要件に合わせて複数のバージョンを作成していました。DTSを最新の状態に保つように努めていたColliersのIT部門にとって、この複雑さが負担になっていました。また、個別の追加変更もさらに難しくなっていました。

Colliersは、新しい取引と既存の取引を管理するためのより良い方法を必要としていました。これについて、IT部門グローバルバイスプレジデントのMihai Strusievici氏は次のように述べています。「業界や組織の絶え間ない変化に対応し続ける中で、私たちはDTSのリプレースの必要性を認識していました。それと同時に、アプリケーション開発アプローチ全体を全面的に見直し、ビジネス部門からの要望の高い俊敏性の実現を目指すことにしました」。

「イノベーションを積極的に取り入れて活用することは、Colliersにとって非常に重要です。そのため、新しいソリューションを市場にリリースするまでのスピードとコストを重視しています。ローコード開発がもたらす俊敏性と生産性の向上がビジネスニーズへの対応に役立ちます」

Mihai Strusievici氏 Colliers IT部門グローバルバイスプレジデント
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Colliers InternationalがOutSystemsを選択した理由:
  • エンタープライズレベルの拡張性
  • 強力な連携
  • 継続的デリバリーの実現
ソリューション

将来を見据えた新しい取引管理システム

Colliersは代替ソリューションを調査しましたが、既製のものの中には適するものがありませんでした。「既製のシステムをカスタマイズすると、独自ソフトウェアを開発する場合と同じくらい時間がかかると判断しました」と、Mihai Strusievici氏は述べています。「カスタムアプリケーションを作成することで、要件を完全に満たすソリューションを実現できると考えました」。

Colliersでは俊敏性を最優先に考え、複数の高生産性aPaaS(ローコード)ベンダーを調査しました。Mihai Strusievici氏が設定した評価基準は、以下のとおりです。

  • 複数の国の様々なルール、規制、税制に単一のシステムで対応できるように設計できること
  • CRMなどの複数のシステムとの連携が容易であること
  • 17,000人のユーザーをサポートできる拡張性
  • 開発のスピード
  • DevOps対応によって差分変更をすばやくロールアウトできること
  • デジタルソリューションのエコシステムの基盤を確立できること

徹底的な評価の後、ColliersはOutSystemsを選択し、両社は2017年に連携を開始しました。

新しい取引追跡システム(現在の「Our Deals」)の開発は、組み込みアプリケーションの開発チームがあるColliersの財務共有サービス部門によって主導されました。

「Our Dealsは、Colliersのビジネスの中核をなす重要なシステムです」と、北米財務部門シニアディレクター兼プロダクトオーナーのSissi Arra氏は言います。「最終的には、登録から、請求やブローカー手数料などの支払いの確認までのライフサイクル全体で行われるあらゆる取引をこのシステムで管理します。また、すべての取引文書のリポジトリにもなります」。

Our Dealsは収益認識の基礎となり、多くの場面で法令遵守に関わります。Colliersの財務部門がこのシステムを保有しているのはこのためです。

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「ユーザー重視の設計が優先事項でした。すっきりとした先進的で使いやすいユーザーエクスペリエンスを用意しました」

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Sissi Arra氏 Colliers 北米財務部門バイスプレジデント
成果

基幹システムと実験的に開始された複数のサテライト

2019年10月、Colliersの北米の業務部門でOur Dealsの運用が開始しました。

Our Dealsは、基幹業務システムとして重要な役割を果たしています。財務プロジェクトチームにはプロダクトオーナーのほか、開発者3人、QAテスター2人を含む12人のデリバリーチームが参加しました。 最終的に、ビジネス要件を定義した後、15か月かけて開発が行われました。

Our Dealsでは、売却、貸借、コンサルティング、非取引の4つの取引タイプを管理できます。ブローカー、顧客プロジェクトコーディネータ、取引管理者、各種財務ロールなど、様々なロールのユーザーがシステムを利用できます。

「すべてのユーザーに、ロールプロファイルに基づいてパーソナライズされたエクスペリエンスが用意されています。ユーザー重視の設計が優先事項でした。すっきりとした先進的で使いやすいユーザーエクスペリエンスを用意しました。ユーザーがデータやタスクを検索しやすくなり、不足書類など取引を進めるために必要なものをひと目で確認できるようになりました」

Sissi Arra氏 Colliers 北米財務部門バイスプレジデント

フロントエンドのモダナイゼーションに加え、効率化されたワークフロー、サマリ、ダッシュボードによるプロセスの改善によって、すべてのユーザーの透明性と効率性が向上しました。

ブローカーやマネージャーはモバイルデバイスからOur Dealsを使用して、進捗状況のアラートや必要なアクションなど、取引に関する必要な情報に簡単にアクセスできます。まもなくネイティブモバイルアプリの稼働を開始する予定であり、オフライン作業がさらに便利になります(執筆時点)。

財務チームの戦略の中心はOur Dealsでしたが、Colliersは時間を確保して小さなアプリケーションも6つ開発しました。この中にはポイントソリューションやサテライトアプリケーションが含まれ、取引情報が中央に集約され、データベースへのアクセスが容易になりました。これらには、以下のようなものがあります。

  • 手数料計算アプリによって、複雑で扱いにくいスプレッドシートが不要になりました。リアルタイムの計算と、財務システムや給与システムとの連携によって、遅延やエラーの可能性がなくなりました。これまで2日間かかっていた作業が20分間に短縮されました。
  • 別のアプリでは、Colliersの100法人、600部門の月末締め処理が効率化されました。締め処理が簡単かつ高速になるなどの利点により、財務部門の毎月のプレッシャーと残業が減りました。

財務チームがOutSystemsで期待どおりのスピードで進める中で、これらのアプリの一部は実験的に開始されましたが、ビジネスに不可欠なソリューションになりました。

Sissi Arra氏は自身の役割について次のように述べています。「私はプロダクトオーナーという自分の役割を本当に楽しんでいます。自分のアイデアが1~2週間のスプリントを経て次々に実現していくので、とてもやりがいがあります。今後について、非常に明るい見通しを持っています」。

Mihai Strusievici氏によると、ローコードアプローチはColliersの部門間の関係を変革するのに役立っています。「財務チームの成功がローコードアプローチの熱狂的な支持につながり、ビジネス部門の開発プロセスへの投資が増加しました。ビジネス部門全体で同様のプロジェクトへの需要が高まっています」。

ビジネスの俊敏性の向上というColliersの目標を踏まえ、Mihai Strusievici氏は熱く語ります。「とてもよかったと感じているのは、テストアンドラーンのアプローチが可能になったことです。短期間で実験ができるため、リスクやコストが少なくてすみます。6つの新しい財務アプリはこの方法で開始され、各実験がColliersのデジタルトランスフォーメーションジャーニーの1歩です」。