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Container Centralenは、モバイルRFIDスキャナアプリでサプライチェーンの効率と可視性を向上

6か月 レガシースキャンアプリのリプレース期間
400万個 RFIDタグが付けられた在庫資材
20,000社 ヨーロッパ全域の顧客
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Container Centralen(CC)は、ヨーロッパを代表する再利用可能な輸送資材(RTI)の取り扱い企業です。20,000以上の園芸栽培業者および園芸小売業者のコストの大幅な削減と、植物および青果物輸送時の環境への影響の大幅な抑制に貢献しています。

これまで使用していたRFIDスキャナデバイスがサポート終了となったため、CCは数百人の倉庫スタッフが使用するカスタマイズされたスキャナアプリケーションをOutSystemsで開発することにしました。その結果、サポート終了間近のプラットフォームから移行できただけでなく、スキャン処理の速度と信頼性、さらにはサプライチェーンの可視性も向上し、将来のイノベーションに対応できるプラットフォームが完成しました。

  • フィールドサービスの最適化
  • レガシーモダナイゼーション
  • モバイルアプリケーション
  • 業務効率の向上
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「70か所の倉庫で使用する新しいスキャンデバイスとカスタマイズされたスキャンソフトウェアが必要でした。OutSystemsのスピードと柔軟性のおかげで、わずか6か月でプラットフォームを変更することができました。これで、高速で継続的なイノベーションの基盤が手に入りました」

Ben Brouwer氏 Container Centralen プロダクトオーナー
課題

サポート終了を迎えたスキャナを将来的に使用可能なソリューションにリプレース

Container Centralen(CC)は、ヨーロッパの園芸業界で最大の再利用可能な輸送資材(RTI)プールシステムであるCC Pool Systemのオーナー企業であり発案者です。

CCのRTIは、園芸栽培業者および青果物供給業者から小売業者への商品輸送時に利用されています。また、小売業者が商品を陳列する際にもよく利用されています。トラックにぴったり合うようにコンテナ、カート、積み重ね可能なラックユニットのサイズが標準化されているため、ロジスティクスプロセス全体を最適化して効率の最大化と環境負荷の最小化を図ることができます。

CC Pool Systemの利用メンバーは2万社にのぼります。使用後は発送元の倉庫ではなく、最寄りのCC倉庫にRTIを返却するだけです。このため、環境への影響もメンバーの輸送コストも低減されます。プールの運用効率はCCの70か所の倉庫の在庫管理の正確さにかかっていると、CCの国際セールスマネージャーであり、このプロジェクトのプロダクトオーナーでもあるBen Brouwer氏は述べています。「プールにはRFIDタグが付けられたRTIが400万個以上あります。これらの所在地は、倉庫に到着し次第明らかになります。 RFIDタグによってRTIの出入庫を正確に把握できるため、プールを効率的に管理し、すべてのメンバーにとって最適な在庫状況を実現できます」。

「OutSystemsのおかげで、サポート終了間近のプラットフォームから移行することができました。Container Centralenは、スキャナアプリを継続的に改善し、ビジネス全体で革新的なソフトウェアの改良を進めるために必要なアジリティを得ることができたのです」

Ben Brouwer氏 Container Centralen プロダクトオーナー

CCの倉庫で使用されていたスキャナデバイスは、間もなくサポートが終了するWindows Embedded Handheldのバージョンを使用していました。CCの厳格な要件を満たすには、新しいスキャンデバイスを選択し、カスタマイズされたスキャンソフトウェアを構築してデプロイする必要がありました。サポート終了間近のプラットフォームからの移行期限は、6か月ほどに迫っていました。

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Container CentralenがOutSystemsを選択した理由:
  • Webとモバイルの両方が開発可能
  • 強力な連携
  • アプリケーションの保守コストの削減
ソリューション

柔軟性を追い求めてたどり着いたOutSystems

CCは複数の理由からカスタマイズされたスキャナアプリケーションを必要としていました。まず、倉庫スタッフがスキャン以外の様々な作業を行えるよう支援するためです。たとえば、配送明細と実際に届いたものの差異や、資材の破損を記録する必要がありました。

たとえば、配送明細と実際に届いたものの差異や、資材の破損を記録する必要がありました。たとえば、30個を積み重ねたコンテナ2セットと60個を積み重ねたコンテナ1セットでは、資材は同じでも構成が異なります。そのため、保管や出荷を別々に行う必要があります。

最後の理由として、CCは将来的にも利用できる柔軟性を求めていました。CCではスキャナデバイスをまだ特定のものに決めていませんでした。Androidで実行されるものが多かったものの、将来的にはあらゆるスマートフォンやタブレットで使用できるよう同様のアプリを開発する可能性がありました。そのため、Android用とiOS用のアプリケーションを両方作成できることも重要でした。

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2019年6月、CCは最終候補に残ったベンダー10社の中からOutSystemsのパートナーであるQuatronicを選び、4週間のPoCを行いました。まず2日間のデザイン思考ワークショップで、合同チームは以下の評価基準を策定しました。

  • CCの最終候補に残ったスキャナデバイスに、動作するMVPをデプロイする
  • オフラインでの動作を検証し、スキャナがネットワークの範囲外にあるときでも使用できることを証明する
  • CCのカスタマイズされたロジスティクスシステムである「LogLink」と連携する
  • 開発スピードを証明する
  • 保守のしやすさを確認する
  • 優れたユーザーエクスペリエンスを提供する

「技術的な基準だけでなく、QuatronicとCCの文化ことの相性を確認することも重要でした」とBrouwer氏は言います。「Quatronicのコンサルタントはアジャイルスクラムのエキスパートであり、製品開発により反復的で実験的なアプローチを導入できるようCCを支援してくれました。このプロジェクトがここまでの成功を収めることができたのも、そのおかげです」。

チームは4週間で魅力的なMVPスキャナアプリを開発しました。CCはQuatronicとのプロジェクトの先行きの明るさを確信し、OutSystemsの顧客になりました。

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Partner

Quatronic

Business Technology Consultants with a Low Code expertise. Founded by four experienced and enthusiastic business technology consultants, Quatronic seeks to become the number one company in Low Code...

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成果

4か月でMVPから本番へ

MVPのデリバリーの成功後、Quatronicは3人の開発者スクラムチームをCCに派遣し、8月から開発を続行しました。Au開発期間中、チームは2週間ごとにデモを行い、各スプリントの終了時に複数のステークホルダーからのフィードバックを取り込みました。

開発において最も複雑な部分の1つは、RFIDスキャナを連携するためのCordovaプラグインのカスタム開発でした。これをモジュールとしてOutSystems環境に統合し、プラグインをOutSystemsのビジュアル開発フローで利用可能にすることで、OutSystemsの標準のard OutSystemsのライフサイクル管理機能やDevOps機能を使用してコードの管理とデプロイを行うことが可能になりました。

開発チームはカメラ連携やPDF出力などいくつかの側面で、OutSystems Forgeの事前構築済みコンポーネントを使用しました。このため、一から作り直す時間を省けました。

11月、CCはオランダのハーゼルスワウデ倉庫で完全に統合されたプロトタイプを使用するようになっていました。チームは12月いっぱいかけてユーザーからのフィードバックを収集し、ユーザービリティに関する改善をいくつか行いました。

1月には、ハーゼルスワウデ倉庫が本番に移行しました。また、ヨーロッパ全域でトレーニングプログラムを開始し、他の倉庫のスタッフを施設に集めて作業現場で実践訓練を行いました。

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「慎重な計画のおかげで、前のスキャナと新しいスキャナを並行運用しながら、段階的に本番に移行することができました」Brouwer氏はそう言います。「プロセスの変更に関する包括的なトレーニングを複数言語で用意しましたが、アプリ自体が非常に使いやすく、ほとんど説明なしで使用できるものでした。成功の兆しは、初期の並行運用のときから見えていました。古いスキャナに戻ろうとするユーザーは1人もいませんでした」。

新しいアプリは単に古いスキャナを同等の機能でリプレースするだけではなく、以下のような多くの改善点を備えています。

  • 標準のRTI構成をスキャンできるようになったことで複数のコンポーネントをスキャンする必要がなくなり、スキャンが高速化。
  • 配送明細と実際に届いたものとの差異を記録する機能を追加。
  • 破損した資材を記録し、修理指図を行うことが可能。
  • スキャナアプリを使用した棚卸しが可能。

こうした変化により、効率もCCの収益も向上しました。配送時点で差異や破損した資材を把握できることは大きな違いをもたらしました。後であわてることやもめることがなくなり、必要に応じて紛失した資材の代金を顧客に請求することもできるようになったのです。

配送が終わり次第ただちに必要な補修作業を把握できるようになったことで、修理プロセスも改善しました。

今後の展望

Container Centralenは、QuatronicおよびOutSystemsによるさらなるイノベーションを多数検討しています。顧客向けの簡易スキャンアプリ、倉庫業務、RFIDタグによる品質の監視、カスタマーサービスポータル、請求処理の統合、修理店業務、スペアパーツの在庫管理などです。CCは、次世代ロジスティクス情報システムをOutSystemsで構築することも視野に入れています。

Brouwer氏は、プロダクトオーナーとしての自らの役割に関して次のように述べています。「OutSystemsによる高速で視覚的な開発アプローチによって、開発者と容易に緊密な連携をとることができました。フローがわかりやすかったため、いろいろ話し合いができたのです。コードで記述されていたら、こうはいかなかったでしょう。優れた手腕を持つQuatronicのコンサルタントのおかげで、私たちのマネジメントチームとしてのアジャイル成熟度も上がり、ソフトウェアプロジェクト運営以外にもあらゆる面でメリットがもたらされました」。