課題
21世紀においても使い続けている20年前のシステム
オーストラリア首都特別地域(ACT)には約50万人が居住しており、この地域を管轄するACT税務署の税収は年間20億ドルを超えます。
この税務署では、給与税と固定資産税の徴収や、仲介人、賃貸人、賃借人間の賃貸保証金の預かりなどを担当しています。企業4,000社、納税者175,000人、権利所有者15,000人、不動産仲介人250人、賃貸人800人以上に対応し、年間12,000件以上の不動産譲渡取引を取り扱っています。
しかし、世界中でデジタル化やテクノロジー化が進む中、この税務署では、市民と職員の双方のプロセスの多くが依然として紙ベースの手作業で行われており、非常に時間がかかっていました。これまでは接続がないために、納税者がWebフォームで提出したデータをバックオフィススタッフが再入力する必要がありました。報告内容の把握に数週間かかるうえ、信頼性が不足している場合もありました。賃借人からの還付請求処理を完了するまでにほぼ1か月かかる場合があり、税務署員が納税者データの入力エラーに対応する間、給与税の申告が停止されることが頻繁にありました。
「当税務署には複数のレガシーシステムがあり、中には20年前のものもありました」と、ACT税務署 ビジネスシステム部門シニアディレクターのDomenic Dichiera氏は述べています。「これらのシステムはお互いに接続されていないため、多くの手作業が発生していました。エンタープライズレベルのレポートを作成することは不可能でした」。