

ブドウ栽培・醸造プロセスをデジタル化した世界的ワインメーカーSogrape
ポルトガルのワインメーカーであるSograpeはOutSystemsを活用し、ワイン生産プロセス全体を管理するアプリを開発しました。このアプリはリアルタイムでインサイトを提供するほか、SAPとの連携も可能です。
Maravilha Farmsは、ポルトガルとモロッコを拠点とするベリー類の大手生産者です。データに基づいて継続的に業務を改善していますが、既存のプロセスやテクノロジーでは、サイロ化された異種システムの中に埋もれている貴重なインサイトを取得することができずにいました。
そこでOutSystemsのパートナーであるOutFitと協力して、現場チーム向けの新しいアプリを作成しました。このアプリにより、現場チームは作業しやすくなり、農場経営者は作物収量の最大化に必要なリアルタイムのインサイトを得られるようになりました。OutSystemsを使用することで、企業全体でシームレスに接続されるITの基盤構築に成功したのです。
「米国のチームは、当社が作成したものに非常に感銘を受けており、現在ソリューションの実装を計画しています。当社がこれほど小規模なチームで徹底的にカスタマイズされたソリューションを作成し、ここまでの成果を上げたことに心底驚いているようです」
Reiter Affiliated Companiesの子会社であるMaravilha Farmsは、ポルトガル全土およびモロッコにある農場でベリー類を栽培しています。果実の輸出量は、年間4,000トンを超えます。
他の多くの業界と同様、コネクテッドテクノロジーはここ数年で農業の世界も変革しました。Maravilhaも、十分に対象を絞って適切にテクノロジーを実装することで、従業員の労働環境や事業運営にプラスの影響があることはよくわかっていました。
「毎年、当社の技術的なニーズを把握するためにフィードバックを集めています」とITマネージャーのBruno Guerreiro氏は述べています。「残念ながら、バックオフィスチームの方が現場チームよりはるかに情報収集プロセスに取り組みやすかったため、現場チームの意見が届かないことが多くなりました」。
現場チームは、栽培、梱包、流通を支援するためのバーコード読み取りデバイスを使用していました。しかし、そうしたデバイスはオフラインであり、デバイスからデータを毎日手動で収集する必要がありました。さらに、モロッコでは同じプロセスをすべて紙ベースで行っていました。
「OutSystemsを使用すると、小規模なチームで複雑な最先端のアプリケーションを開発できるため、成長や業務効率の向上など、幅広いビジネスニーズに対応できるだろうと確信しました」
このため、Maravilhaのチームでは手動データ管理作業が大量に発生していました。しかもこのデータは最終的に分散サイロに格納されたため一切有効活用できず、スタッフの割り当て、成果のレベル、作物の収量を可視化しづらくなっていました。
「システムがリアルタイムで機能していなかったため、現場のデータを収集している担当者は何のインサイトも得ることもできませんでした」とGuerreiro氏は述べています。「また、他のチームはシステムから情報を得ることができていましたが、現場チームは自らの活動から何かを学ぶことも、適時適切なアクションを実行して成果や生産性のレベルを管理することもできずにいました」。
このことは、会社全体の課題の一面でしかありませんでした。データはモノリシックなレガシーシステムで保存・分析されていたため、重要な情報の処理や共有が難しく、時間もかかっていました。 Maravilha Farmsが全社的な新しいデジタルトランスフォーメーション計画を立てるにあたり、こうした部分について変更が必要であることは明らかでした。
数年にわたって全社から収集したフィードバックに基づいて、Maravilhaはすべてのシステムを接続し、組織全体のデータの流れを改善するべく、より強力なソフトウェアレイヤーのビジョンを新たに策定しました。この変革の柱となったのが、Maravilhaの現場作業者をサポートするための新しいアプリです。
この新しいアプリは機能的であるだけでなく、誰でも使用できる直感的なものであり、かつあらゆるレベルの従業員が作業中に操作できる優れたエクスペリエンスを提供するものである必要がありました。独自の要件を洗い出したところで、Maravilhaは最適なソリューションを見つけるための厳密な選択プロセスを開始しました。
まずチームは市販の農業ソリューションを多数調査しました。「農業ビジネス向けの優れたツールは数多くありますが、あくまでパッケージ製品であり、当社のビジネスニーズをすべて満たすことはできませんでした」Bruno氏は振り返ります。「調査したパッケージ製品はオフライン作業に対応しておらず、モバイルデバイスを使用して臨機応変にデータを編集する機能もありませんでした。さらにそうしたパッケージ製品を使用した場合、当社のアーキテクチャに孤立したサイロが増えてしまうことになります。サイロをなくすための変革でサイロが増えては本末転倒です」。
完璧なソリューションを手にするためには、ソリューションを社内開発する必要があることは明らかでした。そんな中、理想的なプラットフォームとしてすぐに浮上したのがOutSystemsです。
「OutSystemsを採用したのは、インフラ、フレームワーク、従来型の開発に伴う様々な複雑さを排除したオールインワンプラットフォームだったからです。さらに重要だったのが、限られた開発リソースで優れたUXを誇る相互接続アプリを開発できるという点です」
「OutSystemsを使用すると、小規模なチームで複雑な最先端のアプリケーションを開発できるため、成長や業務効率の向上など、幅広いビジネスニーズに対応できるだろうと確信しました」Bruno氏はそう続けます。「当社が求める拡張性、パフォーマンス、セキュリティが保証されていることはわかっているので、アーキテクチャからインフラまでの複雑な技術的判断をOutSystems側に任せることができます」。
Maravilhaのチームは、OutSystemsを使用して新しいField Data Collectorアプリを作成しました。このアプリは、現場チームが貴重なインサイトを得るうえでの障害となっていたデータ収集・分析の課題を解決するように設計されました。「優れたUXを実現することが非常に重要だったため、開発プロセスには必ず現場チームに関与してもらうようにしました」Bruno氏は語ります。「ローコードアプローチを使用することで、開発が始まらないうちに現場チームに喜ばれるアプリを作成することができました」。
このアプリにより、現場チームが現場の重要な情報を収集・編集することが可能になりました。管理者は、場所、作物品種、栽培形態に応じて、作物の状態をリアルタイムに近い形で把握できるようになりました。バーコードスキャンに対応しているため、データ入力が様々な側面で高速化されます。こうして、Maravilhaの要件にぴったり合うアプリが完成しました。比較検討していたパッケージ型のソリューションではなしえなかったことです。
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Learn more about Devoteam従業員はこのアプリが気に入りました。現場の従業員は仕事に対する熱意が高まり、リアルタイムのデータも活用できるようになりました。また、農場経営者は生産量やワークエクスペリエンスを高める意思決定を行えるようになりました。この結果、離職率は大幅に低下し、Maravilhaは労働力不足の昨今にあって貴重さを増している人材を維持できています。
このアプリにより作物収量が向上したことで、会社の生産性や収益も大幅に上昇しました。「当社は常に生産量の向上を目指していますが、その手段としては効率の向上を考えています」Bruno氏はそう語ります。「収穫を2倍にするために規模を2倍にする必要はありません。効率向上のための新たな策があれば、同じ土地と同じ労働力からより多くを生み出すことができます」。
現在、Maravilhaのプロセスの多くは、以前と比較した場合最大3倍速で実行されています。2~3日かかっていたデータ検証プロセスがリアルタイムで行われるようになり、ビジネス全体でより速く十分な情報に基づいた意思決定を行うことが可能になりました。
さらに、MaravilhaはOutSystemsを使用して、自社のIT環境全体で相互接続を強化するための基盤を確立しました。これで、既製のソリューションの調達や現在のソフトウェアプロバイダの変更が必要になった場合でも、OutSystemsを使用してデータの接続や連携を追加し、企業全体の完全なデータ共有と相互接続という目標に対応できます。
このアプリはポルトガル全土で導入済みであり、モロッコでの展開も始まっています。 将来を見据えて、米国に拠点を置くMaravilhaの親会社もこのアプリに注目しています。「米国のチームは、当社が作成したものに非常に感銘を受けており、現在ソリューションの実装を計画しています」Bruno氏は話します。「当社がこれほど小規模なチームで徹底的にカスタマイズされたソリューションを作成し、ここまでの成果を上げたことに心底驚いているようです」。