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再利用可能なモジュール、テンプレート、そして若い人材を活用してアプリ開発を高速化したSTEMCELL

10個以上 本番稼働中のアプリ
3倍 開発スピード
6人+3人 開発者とインターン
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老朽化して保守が困難になった17個のアプリケーションをバックログとして抱えていたSTEMCELLは、少人数で迅速にアプリを構築する方法を模索していました。 一貫した開発アプローチがあれば、開発者の技術的なサイロが解消され、IT部門の業務が大幅に効率化します。

2017年にOutSystemsを導入したところ、STEMCELLのアプリケーション開発チームは大きな進化を遂げました。バックログは解消され、コンピュータ科学分野のインターンも大きな戦力となっています。

  • レガシーモダナイゼーション
  • 業務効率の向上
  • ワークプレイスの革新
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「OutSystemsには大規模で活発なユーザーコミュニティがあり、疑問に答えてもらえるという点に感銘を受けました。ビルド済みのコネクタやモジュールを検索し、既存のものがあれば改めて作成せずに済む点も強みだと思いました」

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Beatriz Clarke氏 STEMCELL アプリケーション開発マネージャー
課題

科学者による科学者のサポートを支えるIT部門

STEMCELL Technologiesは、細胞療法、免疫学、がん研究、再生医療分野のライフサイエンス研究者向けに細胞培地、細胞単離器具、科学サービスの開発を行っているグローバルバイオテクノロジー企業です。25年前に設立されたSTEMCELLは、在籍する1,700人以上の科学者集団で科学者をサポートすることを使命としています。

しかし、20年以上にわたる急成長を続けた結果、過去においては最善であったアプリケーションが古くなり、STEMCELLのITチームはそのサポートに多大な時間を費やさなければならなくなっていました。「私たちのミッションは、STEMCELLの科学者が必要とするものを提供してサポートすることです」と、STEMCELLのアプリケーション開発マネージャーであるBeatriz Clarke氏は述べています。「STEMCELLはバイオテクノロジー企業であり、IT企業ではないため、IT部門を巨大化させるわけにはいきません。また、カナダのシリコンバレーとも言われるバンクーバーでは、そもそも開発者の雇用が難しいのです」。

「OutSystemsのおかげで、IT部門からビジネス部門への価値提供のあり方を変革することができました。俊敏性が向上したことで開発スピードが3倍以上になり、ビジネス部門とIT部門の間のコラボレーションと信頼関係も大きく向上しました」

John Lilleyman氏 STEMCELL CIO

アプリ開発チームが幅広いテクノロジーを利用していたことで、別の問題も発生していました。「STEMCELLでは、Access、Java、Visual Basicなど様々なテクノロジーを利用して開発された17個のアプリケーションをバックログとして抱えていました。このため、チーム内で深刻なサイロ化が進んでいました。サポートチケットが作成された場合に対応できる専門のスタッフが1人しかいないということもよくありました」。

優秀な4人のSTEMCELLアプリケーション開発チームは、最新の統合アプリケーションを高速開発できる一貫した方法を探していました。

複数のローコードアプリケーション開発プラットフォームを検討した結果、チームはOutSystemsを選択することにしました。「OutSystemsには大規模で活発なユーザーコミュニティがあり、疑問に答えてもらえるという点に感銘を受けました」Clarke氏はそのように話しています。「OutSystems Forgeでビルド済みのコネクタやモジュールを検索し、既存のものがあれば改めて作成せずに済む点も強みだと思いました」。

OutSystemsが無償で提供している包括的なeラーニング教材や動画を利用してソフトウェアを評価していくうちに、Clarke氏らのチームはOutSystemsがSTEMCELLに最適であるという確信をさらに深めました。

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STEMCELLがOutSystemsを選択した理由:
  • 再利用性の高いアーキテクチャ
  • OutSystems Forgeのビルド済みのコネクタ、モジュール、アプリ
  • 大規模なユーザーコミュニティ
ソリューション

STEMCELLのローコードの原則の確立 — 一貫性と再利用

STEMCELLは2017年末にOutSystemsの利用を開始しました。一貫したアプリケーション開発アプローチを導入して開発者チームの融合を進め、お互いが代わりを務められるような体制を実現したいというのが、OutSystems導入の一番の動機でした。

「私たちはOutSystemsのカスタマーサクセスサービスを利用しました。アーキテクチャを確立する際にまずアドバイスを受けたことで、再利用を最大化することができました。料金の何倍もの価値があったと考えています」Clarke氏はそう振り返ります。

「最初の3か月間はスキル移転、標準、アーキテクチャに重点を置きました。また、あらゆるアプリの開始点として利用できるテンプレートアプリを作成しました。このテンプレートアプリについては、その後ずっと改良を続けています。これを用意したおかげで、新しいアプリが必要になったときに開発時間をかなり短縮できるようになりました」

2017年以降、開発チームは体制の強化に乗り出しました。毎年コンピュータ科学分野の大学生2人をインターンとして受け入れ、チームを強化しています。

「OutSystemsを活用することで、インターンも大きな戦力となります」と、Clarke氏は言います。「インターンシップ開始後、すぐ2週間の自己学習コースを受講してもらっています。それが終わると、すばらしいアプリを作成できるようになるのです」。

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「私たちはOutSystemsのカスタマーサクセスサービスを利用しました。アーキテクチャを確立する際にまずアドバイスを受けたことで、再利用を最大化することができました。料金の何倍もの価値があったと考えています」

Beatriz Clarke氏 STEMCELL アプリケーション開発マネージャー
成果

ローコードがサイロを解消

OutSystemsを導入したことにより、STEMCELLは当初の望みどおりアプリを一貫した方法で開発できるようになりました。開発者全員がお互いの代わりを務められる体制も整いました。アプリポートフォリオのサポートを困難かつ高コストなものにしていた専門分野によるサイロが解消されたのです。

「バックログが解消され、必要に応じてほぼあらゆるアプリケーションのリクエストに対応できるようになりました」

Beatriz Clarke氏 STEMCELL アプリケーション開発マネージャー

昨年、STEMCELLはレガシーERPシステムをSAPにリプレースしました。高速なローコード開発のおかげで、Clarke氏らのチームは余裕を持って変更に対応することができました。現在は10個のアプリが本番稼働中で、さらに4個のアプリがまもなくリリースされる予定です。

「OutSystemsを導入する前は開発スピードが遅く、再利用も一切行っていませんでした。現在は、あらゆるアプリを共通の基盤から開発し始めるようになっています。ほとんどのアプリには、OutSystems Forgeで入手したモジュール、コネクタ、UIコンポーネントが複数組み込まれています。 既存のものがあれば改めて作成する必要がまったくないため、ユーザーニーズに沿った開発を行うことに集中できます」。

「OutSystemsのおかげで開発者とビジネスユーザーの間の溝が埋まりました。組織のニーズに沿ったものを、期限内に予算の範囲で提供できるようになったのです」

Raymond Kwok氏 STEMCELL 上級ソフトウェア開発者

また、Beatriz Clarke氏はOutSystemsを導入してから開発マネージャーとしての負担が減ったと言います。

「すべての開発者がOutSystemsを利用するようになったため、誰かが休暇を取る際の人員調整で悩むことがなくなりました。コラボレーションも大幅に改善され、チームミーティングでアイデアの交換や新しい技術の共有が行われることが増えました。共通のテクノロジーでモジュールを共有できるようになったのです」

STEMCELLの新型コロナ対策用スタッフ安全管理アプリ「My Status」

再利用と高速開発が可能になったことで、STEMCELLは今回のパンデミックにもいち早く対応できました。世界中のスタッフの大半を在宅勤務にする方針を決めたことで、STEMCELLではすべての従業員の健康状態、稼働状況、所在地を毎日把握する必要が発生しました。

同社の小規模なアプリケーション開発チームに要件が伝えられたのは、ある日の夕刻でした。話を聞いた開発者の1人が、一晩でできそうだとこの課題を引き受けました。翌朝、新しいアプリが早くも完成し、本番稼働を待つばかりとなっていました。この事例の詳細については、こちらをご覧ください。

「私たちがこのアプリを一晩で開発したことに、経営陣は非常に驚いていました。ユーザーからは使いやすいとの声が届いています」Clarke氏はそう語ります。「安全面では、必要な予防措置の実施を従業員に促すうえで役に立っています。毎日のチェックインと機器の貸出があることで、STEMCELLのバックアップがあるという安心感を従業員に与えることもできています」。

「My Statusアプリは、ローコードによって達成された多くの成功の1つに過ぎません」こう話すのは、STEMCELLのCIOであるJohn Lilleyman氏です。「OutSystemsのおかげで、IT部門からビジネス部門への価値提供のあり方を変革することができました。俊敏性が向上したことで開発スピードが3倍以上になり、ビジネス部門とIT部門の間のコラボレーションと信頼関係も大きく向上しました。世界中のビジネス部門が必要とするソリューションを、数日間から数週間のうちに提供できるようになったのです」。