hero left

ロジスティクスの最大手Estafetaは、Webアプリとモバイルアプリを活用して年間約4,300万個の荷物を配送

50% コロナ禍での
出荷数増
30個以上 開発したアプリ
22人 デジタルファクトリー
チームの開発者
hero logo
hero right
hero logo
hero right
innovation-awards-2021-badge
Innovation Awards
Winner 2021

メキシコの最大手ロジスティクス企業であるEstafetaは、2015年に戦略的アプリケーション開発プラットフォームとしてOutSystemsを導入しました。約22人の開発者で構成されるデジタル開発インフラを擁する同社は、数十個のWebアプリケーションとモバイルアプリケーションを利用してほぼあらゆるロジスティクス業務に対応しています。

OutSystemsは高速なイノベーションを実現するアジリティをEstafetaにもたらしました。その結果、この大手ロジスティクス企業はパンデミックの中での戦略転換とeコマース市場のシェア獲得に成功し、出荷数を2か月間で50%増やしました。

  • ビジネスプロセス管理
  • ケース管理
  • カスタマーエクスペリエンスの向上
  • デジタルコアシステム
  • フィールドサービスの最適化
  • レガシーモダナイゼーション
  • モバイルアプリケーション
  • 業務効率の向上
  • SAPの拡張
  • Webアプリ/ポータル

offgrid image

「当社のお客様が新型コロナウイルスのパンデミックにより大きな打撃を受けたことから、出荷量は一気に83%減少しました。私たちは戦略を転換する必要がありました。迅速なイノベーションに必要なスピードとアジリティをもたらすOutSystemsを使用することで、配送の続行に必要な6個のアプリの新規開発や調整を行い、配送量を50%増やすことができました」

...
Juan Manuel Monterrubio Portilla氏 Estafeta 開発マネージャー
課題

多彩なテクノロジーと、シームレスではないエクスペリエンス

1979年に設立されたEstafetaは、メキシコ最大級のロジスティクス企業です。従業員6,700人、車両約3,600台、飛行機6機、直営店およびフランチャイズ店1,000店以上を擁し、年間約4,300万個の荷物を取り扱っています。

技術革新は、Estafetaの経営において常に大きな役割を担ってきました。顧客にWebベースの追跡ツールの提供を開始したのは実に1990年のことです。それから10年後には、メキシコで初めて電子請求システムを導入しました。また、それと同じ年に、ERP、CRM、追跡システムなど多くのテクノロジーを更新しています。

しかし、新しいテクノロジーの追加に伴い、テクノロジーの連携が次第に困難になりました。その結果、カスタマーエクスペリエンスが低下したほか、顧客にサービスを提供する際に複数のシステムへのログインが必要になり、作業がしづらくなっていました。

2015年、Estafetaはデジタルトランスフォーメーションの加速とカスタマーエクスペリエンスの向上を目指し、OutSystemsを導入しました。


offgrid image
EstafetaがOutSystemsを選択した理由:
  • ...専門開発者の生産性向上
  • ...制限のないフルスタックのビジュアル開発
  • ...継続的デリバリーの実現
ソリューション

長年のフラストレーションが11週間で解消

最初にデリバリーされたアプリケーションがMiEstafeta™でした。これは、顧客と従業員が集荷の予約、荷物の追跡、その他の情報の確認を行うことができるWebおよびモバイル対応のアプリケーションです。

EstafetaのIT戦略プロジェクトマネージャーであるCarlos Cedano Villavicencio氏は、この事例について次のように説明しています。 「MiEstafetaで初めてアジャイル開発手法を経験し、そこから私たちの考え方が変わりました。以前の方法だと、大規模なチームで取り掛かっても6か月はかかったはずです。しかし、OutSystemsを使用したところ、3人の開発者とチームリーダー1人だけのチームで、わずか11週間のうちにアプリケーションを完成させることができたのです」。

この最初のプロジェクトのデリバリーは、OutSystemsのプロフェッショナルサービスと共同で行われました。しかし、その後数週間でEstafetaの社内開発者がトレーニングを受け認定を取得し、今ではテックリード8人と開発者15人のアプリケーション開発チームが独力で開発を行っています。

「当社の開発者の多くは.NET開発の経験者です」と、Estafetaの開発マネージャーであるJuan Manuel Monterrubio Portilla氏は述べています。「開発者の新規育成には、OutSystemsの無料のGuided Pathを利用しました。その後、開発者を評価して、OutSystemsの認定試験を受けさせました。開発者は2~3週間で力をつけ始め、1か月後には一人前の開発チームメンバーになりました。標準、セキュリティ、ドキュメント、DevOpsツールなどに多くの時間をかける必要があった従来の開発者育成に比べて、時間が大幅に短縮されました」。

その後5年間で、Estafetaの開発チームはOutSystemsであらゆる種類のアプリケーションをデリバリーしました。

  • コアシステム – 輸送管理、追跡、ルート計画、CRM、業務ダッシュボードなど。
  • 顧客向けアプリ – MiEstafeta、POS(インターネット販売用および店頭用)など。
  • モバイルアプリ – 「SOE」アプリ(ドライバーがルート配送、荷物のスキャン、配達証明の際に使用するアプリ)、Estafetaモバイルアプリ(顧客が使用するアプリ)など。
  • バックエンドサービス – SAPやその他複数のシステムと連携し、Estafetaで必要な顧客向けアプリの開発や保守を高速かつ容易に行えるようにします。

offgrid image

「SAPやその他複数のシステムと連携し、Estafetaで必要な顧客向けアプリの開発や保守を高速かつ容易に行えるようにします。従来の開発者育成に比べて、時間が大幅に短縮されました」

Juan Manuel Monterrubio Portilla氏 Estafeta 開発マネージャー
成果

継続的なアジリティの実現

EstafetaのOutSystemsデジタル開発インフラチームは8件以上のプロジェクトを並行して実行し、顧客満足と市場シェア拡大に向け自社が必要とするペースでアプリケーションのデリバリーと保守を続けています。

たとえば、既製のCRMシステムからOutSystemsで構築したカスタマイズCRMへのリプレースを、設計、開発、UAT、本番リリース、トレーニングを含め、たった24週間で完了させました。

「以前のCRMには多くの問題がありました」と、EstafetaのIT戦略プロジェクトマネージャーであるVillavicencio氏は言います。「構成や変更に時間がかかりすぎるため、変化の激しいこの市場への対応が困難でした」。

現在のEstafetaは、CRMシステムを市場が求めるスピードで更新することができます。実現したメリットは以下のとおりです。

  • UX/UIが飛躍的に向上し、新しい従業員が使いこなせるようになるまでの時間が大幅に短縮されました。
  • タスクが自動化されたことで、ルーチンタスクを短時間で実行できるようになり、エラーも減りました。たとえば、新規顧客の設定が90%速くなりました。
  • エラーが発生しやすい「構成、価格設定、見積もり」用のスプレッドシートを廃止できました。新しいOutSystems CRMでは、標準化された正確な見積書をすばやく簡単に作成することができます。作成後は自動的にプロがデザインしたPDFに変換され、顧客にメールで送信されます。以前は25分ほどかかっていた作業をわずか1分でこなせるようになり、1,700人以上のセールススタッフの時間が96%削減されました。
  • CRMのユーザー導入率が6倍になったことで、生産性も大幅に向上しました。

コロナ禍への対応

2020年春、新型コロナウイルスががメキシコのロジスティクス市場に深刻な混乱をもたらしたことで、Estafetaのアジリティは大きく真価を問われることとなりました。物流インフラを担うロジスティクスプロバイダであるEstafetaは、パンデミック中も業務を続けるよう求められました。これにあたっては、需要の変化に対応し、ソーシャルディスタンスのガイドラインに沿って接客方法を見直す必要がありました。

新型コロナウイルスによるロックダウンで非エッセンシャルビジネスが一時的に休業に追い込まれたため、従来のB2Bロジスティクス業務は大幅に縮小しました」Portilla氏はそう振り返ります。最初の1週間で取り扱い荷物数が83%減少しました。迅速な対応が必要でした」。


「パンデミックに対応するため、新しいリアクティブWebアプリケーションを、それぞれ2~6日で6つデリバリーしました」

Juan Manuel Monterrubio Portilla氏 Estafeta 開発マネージャー

OutSystemsを活用することで、Portilla氏のアプリケーション開発チームは実にすばやく対応することができました。Estafetaの新型コロナ対応アプリの詳細については、Juan Manuel Monterrubio Portilla氏のブログ投稿をご覧ください。 主な内容は以下のとおりです。

  • 薬局専用速達配送アプリ – 新たに提携したメキシコ最大級の薬局チェーン向けのアプリです。薬局の店長が配送をリクエストしたり、GPSによる追跡などで配送状況を確認したりすることができます。テックリード1人と開発者1人が3日でデリバリーしました。このアプリを使用して、2020年5~6月に患者への必須医薬品の配送が4,500件以上依頼されました。
  • 薬局配送用モバイルアプリ – Estafetaの配送代理業者が配送時に使用するアプリです。テックリード1人と開発者1人が6日でデリバリーしました。15の配送代理業者が、このアプリを使用して2020年5~6月に合計4,500件以上の配送を行いました。
  • 配送時非接触サイン – 配送担当者のモバイルデバイスに表示される固有のQRコ*ードを顧客がスマートフォンでスキャンし、配達証明のサインを行うことができるようにするリアクティブWebアプリです。テックリード1人と開発者1人が4日でデリバリーしました。パンデミック中の3か月間で、3,000以上の配送担当者がこのアプリを利用し、600,000件以上の配送の確認がこの方法で行われました。
  • 引き渡し時非接触サイン– 上記のアプリと同様です。Estafetaの1,000の店舗で使用され、顧客がEstafetaの機器や用紙に触れることなく、モバイル端末を使用して荷物引き渡しのサインを行うことができます。テックリード1人と開発者1人が2日でデリバリーしました。Estafetaの従業員900人以上とフランチャイズ1,200店以上がこのアプリケーションを使用しています。現在、Estafetaのロジスティクスシステムで引き受ける荷物のうち約20%でこのアプリが利用されています。
  • サードパーティ配送代理業者用モバイルアプリ – eコマース配送の急激な拡大に伴い、Estafetaは配送能力を迅速に高める必要がありました。この「Estafeta Externos」というモバイルアプリを使用すると、下請けの配送担当者がラストマイルの配送を行えるようになります。テックリード1人と開発者1人が5日でデリバリーしました。この文書の執筆時点で、2,000人以上の下請けドライバーがこのアプリを使用して50万件以上の配送を完了しています。
  • Estafeta Externos(Webアプリのバックエンド) – ルート計画の支援と、下請け業者による配送の監視を行うアプリです。テックリード1人と開発者1人が3日でデリバリーしました。

ラストマイルの配送を60以上のサードパーティロジスティクスパートナーへ下請けに出す必要があるという事実は、Estafetaが新型コロナウイルス感染症拡大の結果として急激に成長したことの証です。

「多くの人々が在宅勤務を行ったり、ショッピングセンターでの買い物を避けたりしたことから、メキシコではeコマースの利用が爆発的に増えました」とPortilla氏は述べます。「需要増大への対応には苦心しました。メキシコシティー周辺の倉庫を4か所増やし、さらに国内各地の倉庫も増設しました」。

ロックダウン当初は出荷量が83%減少しましたが、現在では毎日の配送数が新型コロナウイルスの流行前よりも50%増えています。

「これらの機会をものにできるかどうかは、すべてEstafetaのIT部門のアジリティにかかっています」とPortilla氏は言います。「OutSystemsは、これらの課題への対処に必要なスピードをアプリケーション開発チームにもたらしました。まさに、当社のIT戦略の中核です。今後も、改善とイノベーションを進めていくうえで鍵となるでしょう」。

*QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。