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急成長しているHermesのeコマースビジネスは、2,000万もの小包を追跡




ヨーロッパの5大宅配、速達、小包サービス事業者の1つであるHermesが立ち上げた新しい事業部門Hermes BorderGuruには、問題がありました。複数の国でサービスを提供するため、個々の小包の追跡と追跡の可視性が不十分でした。 この問題を解決するには、国際貨物システムとヨーロッパ配送システムを連携させる必要があり、数か月ではなく数週間でソリューションを用意することが求められていました。
プロダクトオーナーであるTobias Latta氏は、OutSystemsに注目しました。3か月以内で、Hermes BorderGuruの配送ネットワークが稼働しました。現在Hermesでは、2つのOutSystemsアプリを使用してすべての小包とトラックを完全に追跡することができ、毎年2,000万もの国際小包の配送を行っています。
- フィールドサービスの最適化
- 業務効率の向上
- ビジネスプロセス管理
- モバイルアプリケーション

「OutSystemsの開発プロセスが優れていた点は、再利用による開発の高速化です。TrAppのすべてのバックエンドサービスを利用できたため、基本的なTrIpソリューションをわずか2日間で開発できました」
課題
孤立したロジスティクスシステムによる可視性の欠落
Hermesグループは、ヨーロッパ最大の宅配、速達、小包サービス事業者の1つであり、収益は32億ユーロです。2018年、グループはeコマースの小売業者や国際的なメーカーを対象とした新しいグローバル配送サービス部門として、Hermes BorderGuru(「HBG」)を立ち上げました。この包括的なサービス部門は、ロジスティクス、決済システム、通関手続きなど、国際eコマースの成功に欠かせないあらゆる要素を提供します。
BorderGuruは当初、ヨーロッパへの直接配送を望む中国のサプライヤーに重点を置いており、2桁ペースで成長していました。Hermesは2019年中に最大2,000万個の国際小包の配送を見込んでおり、そのうち500万個は中国から到着します。
「これまで私が管理した中で、今回がおそらく最も円滑なITプロジェクトでした。ロジスティクスシステムの欠落部分をわずか2か月で埋めることができました。ローコードのビジュアル開発によってビジネスと開発者の間の隔たりがなくなり、プロダクトオーナーとしての私の仕事が非常にやりやすくなりました」
このような急激な成長に伴い、BorderGuruのITシステムはいくつかの面で改善が必要になったと、オペレーションITプロダクトオーナーのTobias Latta氏は説明しています。「2,000万個の小包の配送は多いように聞こえますが、ヨーロッパのビジネスのごく一部にすぎません。そのため、HBG事業部門は長年使用してきた2つの高機能ロジスティクスシステムを使用して業務を行う必要がありました。1つは国際貨物サービスを処理するシステムであり、もう1つはヨーロッパ配送ネットワークを処理するシステムです」。
しかし、これら2つのシステムが連携していないために死角が発生していました。HBGとその顧客は、小包の発送と到着のタイミングはわかりますが、その中間の状況はわかりませんでした。
Tobias Latta氏は次のようにも述べています。「小包はヨーロッパの2つの輸送拠点のいずれかに到着します。ここで貨物箱から小包が配送先ごとに分けられます。そして、各小包が各地の配送ネットワークに入ります。この時点から、小包が配送先に到着するまでの配送状況を顧客が確認できるようになっていました」。
この死角が解消すると、カスタマーエクスペリエンスが向上し、HBGのオペレーションを最適化するために必要な可視性が提供され、問題解決がより迅速になります。

HermesがOutSystemsを選択した理由:
開発者の生産性の向上
Webとモバイルの両方が開発可能
エンタープライズレベルの拡張性とセキュリティ
lソリューション
OutSystemsによる反復的な高速開発アプローチ
HBGには専用アプリケーションを開発する能力がないため、Tobias Latta氏は新しいソリューションを開発するために3つの選択肢を検討しました。
- ネイティブのモバイルアプリ開発会社を利用する
- スキャンベンダーを利用し、既製のソリューションを導入する
- OutSystemsなどのローコードプラットフォームベンダーを利用する
セキュリティ、拡張性、パフォーマンスも重要でしたが、適応性が極めて重要な検討事項でした。Tobias Latta氏は次のように述べています。「HBGはまだ新しい事業部門であるため、プロセスは発展途上です。それに加え、このサービスを他の地域に拡大する予定であり、システムやプロセスが異なっている可能性があります。これらの要因から、適応性が最も重要な考慮事項になっていました。当社はOutSystemsを招いて2日間のPoCを実施し、その開発スピードと品質からローコードが適切なアプローチであると確信しました」。
OutSystemsのパートナーであるJade Eli Technologiesと協力し、Tobias Latta氏は反復的なリーン開発アプローチを導入しました。最初に実装されたソリューションは、「TrApp」という名前の通過情報アプリでした。2人の開発者のチームがわずか8日間で動作可能なMVPを開発し、手作業でコーディングを行うというアプローチの場合にこれまでに想定していた開発期間の約60%が短縮されました。

MVPは、2か月間繰り返し改良を重ねて生産性の高いシステムとなり、現在では以下のような機能を装備しています。
- 国際輸送の取り込みとヨーロッパのネットワークへの読み込みの統合
- 通関手続きのサポート機能
- ユーザーやロールなどのバックエンド管理
- 公開されたREST APIによる他のHermesシステムとの連携
- 取り扱い者が通過情報を送信するために使用するモバイルアプリ。位置情報、カメラ/バーコード連携、サポートチャット、オフライン作業などの機能を装備
- 通過履歴およびステータス管理
- メール、PDF、QRコード出力の生成
- 返送プロセスを改善して発送者と顧客に透明性を提供
- 集荷リマインダー
次に実装されたソリューションは、「TrIp」という名前の輸送情報プラットフォームです。このシステムはTrAppと同じバックエンドから開発され、Hermesの拠点や倉庫から配送先までの輸送中の小包のステータス情報を包括的に提供します。
「OutSystemsの開発プロセスが優れていた点は、再利用による開発の高速化です」と、Tobias Latta氏は言います。「TrAppのすべてのバックエンドサービスを利用できたため、基本的なTrIpソリューションをわずか2日間で開発できました」。


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追跡の完全性と可視性を2か月で実装
HBGはわずか2か月で、必要とするカスタマイズされたロジスティクスソリューションを得ることができました。OutSystemsアプリによって、世界各地の顧客に総合的なサービスを提供できるようになりました。HBGと顧客の双方が中国から配送先までの小包の状況を、途中の倉庫での留置や通過段階を含め、エンドツーエンドで確認できるようになりました。
BorderGuruの新しい統合ソリューションは、完全な追跡機能のほかにも多くのメリットをもたらしました。
- 返送に関するエクスペリエンスが向上し、発送元の顧客が未配達小包の取り扱い方法(別の受取人への変更など)を選択することが可能に。
- 集荷リマインダーによって小包の倉庫への返送を減らし、無駄な輸送による環境への影響を削減。
- カスタマーエクスペリエンスの向上によって売り上げが増加。
- 積み荷に関する問い合わせや苦情の減少に伴い、コストが減少。
- 取り扱い者用モバイルアプリを改良し、て写真撮影機能とチャット機能を装備。これにより、必要に応じて監督者のサポートを受けることが容易に。
ローコードプロジェクトを初めて管理した感想として、Tobias Latta氏は次のように述べています。「ローコードが提供する一般的なビジュアル言語によって、ビジネスオペレーション担当者と開発者の間の隔たりがなくなりました。そのため、開発作業により深く関与し、開発作業を適切に管理することができました。それこそがプロダクトオーナーに必要なことであり、これまで私が管理した中で、今回が最も円滑なプロジェクトでした」。
また、開発スピードに関して、Tobias Latta氏は次のように述べています。「開発の高速化だけではなく、進行に合わせてスコープを拡大できることに感動しました。ビルド済みのコンポーネントがForgeにあるため、コードを書かずにそのまま組み込んで連携させることがよくありました。たとえば開発中に、カメラ連携やチャット機能をモバイルアプリに組み込むことで、機能をすばやく強化しました」。
HBGでは現在、アジアなどの急成長する地域へのTrAppソリューションの導入とデプロイを計画しています。今後もHermesのIT組織はOutSystemsアプリを、国際オペレーションのコアテクノロジーとして活用していきます。
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