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TAPは、Flight Dispatch Control Centerを構築して運航管理者による状況把握の一元化を実現

TAPは、割り込み作業の多い運航管理室の業務モデルを一新し、作業効率に革命をもたらすというミッションに着手しました。運航管理にとって最も重要なのが、フライトプランの作成と運航の監視です。運航管理者は、パイロットと航空管制官に最新のフライトプランを提供するほか、効率性と燃料消費の面で最適なフライト計画を作成する役割を担っています。この情報をまとめたブリーフィングファイルは、安全なフライトを実現するために常に最新の状態にしておく必要があります。しかし運航管理者は様々なシステムから届く数百件のメッセージを監視しなくてはならないため、フライトプランの作成をたびたび中断せざるを得ません。そこでMegasis(ポルトガル最大手の航空会社の情報システムとテクノロジーを専門とするTAPグループの企業)は、OutSystemsを使用してFlight Dispatch Control Centerを構築しました。これは、フライトに関する全情報を一元的に提供し、重大度とフライトの予定出発時刻に基づいて優先順位付けされた要対処イベントを運航管理者に通知するシステムです。これによって運航管理者は重要なタスクに集中できるようになりました。作業の中断がなくなったことで、フライトの安全性をより効率よく確保できるようになったのです。

割り込み作業の多い業務モデルから、運航管理者がフライトプランの作成に時間をかけられる体制へ

課題 - TAPの運航管理室の主要任務の1つはフライトプランの作成です。これはパイロットと航空管制官にとって重要な文書であり、離陸前に最新のものに更新する必要があります。運航管理者(FOO)は、フライトプランをタイムリーに完成させ、効率を最大化することに多くの力を注いでいます。つまり、反復的な手作業を自動化することができれば、重要度の高い作業に集中できることになります。

FOOは、様々なシステム、メール、電話、航空機との地対空通信から届く数百件ものフライト関連イベントを監視する任務も負っています。たとえば、何百ものフライトで生じる遅延、旅客数の変更、ルートの更新、気象、ノータム(航空情報)などです。こうしたイベントが発生した場合、通常はフライトプランの更新が必要になります。これにタイムリーに対応しないと、安全上の理由から定刻に離陸できなくなる可能性があります。

OutSystemsを選択した理由

TAP Portugalは、OutSystemsを導入してWeb/モバイルアプリケーションなどのカスタム開発を行うことにしました。アプリケーションの高速開発と迅速なイテレーションが可能なOutSystemsは、TAPにとって戦略的選択と言えるものでした。OutSystemsを使用すると、ビジネス上の問題への対応に集中し、アプリケーションをすばやく提供したうえで、ビジネスユーザーから直接得た意見に応じて変更を加えることができます。その結果、TAPはユーザー導入率100%を達成することができました。

「アジャイルアプローチでなければこのような結果は実現できなかったでしょう。運航管理者からのフィードバックを柔軟かつ迅速に反映できるOutSystemsが成功の鍵となりました」TAP プログラムマネージャー Nuno César氏

 Flight Dispatch Control Center

ソリューション - MegasisはFlight Dispatch Control Center(FDCC)を開発しました。FDCCは、複数の業務システムから情報や通知を取得してダッシュボードに集約し、飛行機の離陸許可を出すために必要な要処置事項を優先順位付けしてFOOに示します。

「Flight Dispatch Control Centerのダッシュボードは、今や私たちの業務の中核となっています。このおかげで前例がないレベルの効率化が実現しました」
運航管理マネージャー Paulo Marques氏

FDCCは12時間後までのフライトの出発予定リストを保持し、離陸予定の遅延につながる可能性のあるイベント、航空機、ATCフライトプラン、運航フライトプラン、推定無燃料重量、燃料、ブリーフィングファイル、発着枠を継続的に監視します。すべてのイベントがログに記録されるため、FOOは特定のフライトのイベントタイムラインをすばやく組み直すことができます。 

ソリューションの機能

  • フライト出発ダッシュボード
  • 関連メッセージの監視
  • フライトの詳細とスケジュール
  • 空域情報
  • コンプライアンス
    • 国際航空運送協会(IATA)
    • 国際民間航空機関(ICAO)
    • IATA運航安全監査(IOSA)
  • 日次運航レポート
  • シフト管理
  • 連携
    • 運航管理システム
    • TIBCO Webサービスメッセージキュー
    • メッセージ交換システム
    • Oracle
    • Lido/Flight(フライトプランニングシステム) 
    • 文書管理
 
TAP - Flight Dispatch Control Center - Dashboard
TAP - Flight Dispatch Control Center
TAP - Flight Dispatch Control Center - Timeline
TAP - Flight Dispatch Control Center Timeline
TAP - Flight Operations Officer Workstation

「このソリューションのおかげで、予定外のイベントが発生したときに運航管理者が対策を決定するまでの時間と労力が大幅に減りました」

成果 - 開発開始から11か月後、FDCCの本番環境への初回デプロイが行われました。その後数週間で運航管理者によるソリューションの導入率が100%に達し、生産性と効率の大幅な向上が実現しました。

このシステムが完成したことでフライト関連イベントをすべて一元的に把握することが可能になり、安全性を確保するために欠かせない最新のフライトプランをパイロットと航空管制者が確実に利用できるようになりました。また、離着陸関連のタスクのぺーパーレス化によって業務リスクも大幅に低下しました。

数か月間で膨大な情報を収集できたので、今度はこのビッグデータリポジトリを活用してインテリジェンス化し、業務のさらなる最適化を目指すことが検討されています。

  • ユーザー導入率 100%
  • フライト 6,000便/月
  • 通知 180,000件/月
  • 安全性リスクの認知度の向上
  • 人的ミスのリスクの最小化
  • フライト関連イベントをすべて一元的に把握可能
  • 6つの大規模連携と合計26種類のインターフェイス
  • 通知と出発予想時刻への影響のリアルタイム監視

TAPについて

TAPは1945年に設立されたポルトガルの代表的な航空会社です。世界的な航空連合であるスターアライアンスに2005年から加盟しており、世界中の顧客にサービスを提供しています。リスボンにあるハブ空港はアフリカや南北アメリカへの路線が交差するヨーロッパの主要な玄関口になっており、TAPは特にブラジル便を多く運航する国際的な航空会社として知られています。現在は34か国の77か所で就航しており、2014年にはヨーロッパと南米の11か所が新たな就航地として加わる予定です。

最新型エアバス55機を活用して1週間あたり平均2,250フライト超を運航しているほか、TAPの国内航空会社であるPGAのカラーリングが施された飛行機も16機運航しており、合わせて71機の飛行機を保有しています。TAPは顧客中心の方針を掲げ、顧客の期待に応えられるような安全で信頼できる上質な製品とサービスの提供を目指しています。ポルトガルらしい企業ブランドと高品質なサービスを基本コンセプトとして維持することが、TAPの近年の戦略の柱になっています。

TAPは業界で高く評価されており、World Travel Awardsの「World’s Leading Airline to Africa」(2011年、2012年)と「World’s Leading Airline to South America」(2009年、2010年、2011年、2012年)を受賞しています。また、Global Traveler(米国)の「Best Airline in Europe」(2011年、2012年、2013年)に選出されたほか、UNESCOと国際地質科学連合から国際惑星地球年の「Planet Earth Award 2010」(「Most Innovative Sustainable Product」カテゴリ)賞を贈られています。

さらに、Condé Nast Traveller Magazineの「Best Airline」(2010年)や、専門誌『Marketeer』の「Best Portuguese Tourism Company」(2011年)にも選出されています。
詳細については、www.flytap.comをご覧いただくか、Facebook、Twitter、YouTube、InstagramでTAPをフォローしてください。