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Hospital da Luzは、OutSystemsでデジタルヘルスケアトランスフォーメーションを強化

15年以上 OutSystemsユーザー歴
522個超 OutSystemsで稼働中のアプリ数
1,500万件超 1日あたりのWebサービスのヒット数
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ポルトガルの大手民間医療グループであるLuz Saúdeは、14の民間病院と29の施設(外来診療所や介護施設を含む)を運営しています。同グループは2007年にOutSystemsを導入し、イントラネットと医師向けポータルを整備しました。それ以来、OutSystemsをアプリケーション開発プラットフォームとして使用し、多様なITランドスケープを統合して、患者やスタッフ向けのデジタルユーザーエクスペリエンスの規範となるアジャイルなシステムオブエンゲージメントを構築し続けています。

  • アプリの刷新
  • カスタマーエクスペリエンスの向上
  • デジタルトランスフォーメーション
  • モバイルアプリケーション
  • 業務効率の向上
  • Webアプリ/ポータル
  • ワークプレイスの変革
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「新型コロナウイルスの感染拡大は、当社のデジタルシステムとイノベーション能力を実証する機会となりました。コロナ禍の厳しい状況下で俊敏性を保つことができたのは、OutSystemsの開発スピードがあってこそです」

isabel ventura
Isabel Ventura氏 Luz Saúde デジタルイノベーション担当副部長
課題

ITランドスケープの幅広さが招いたサイロ化やユーザーエクスペリエンスの低下

2000年に設立されたHospital da Luz(「光の病院」の意味)は、11,500人の従業員を擁するポルトガル最大の医療グループのひとつです。イノベーションをビジョンの中心に据え、「高度に専門的で複雑な医療における卓越性とイノベーションの理想として認知される先進的な医療提供者になること」を目指しています。

Hospital da Luzは長い間、臨床診療を中心に技術革新を行ってきました。しかし近年、デジタルテクノロジーに投資を集中させ、医療従事者の作業を楽にすると同時に患者のエクスペリエンスや業務効率を改善することを目指すようになっています。

ivo antao

「OutSystemsの高速なビジュアル開発によりアジャイルの難度が下がり、医療従事者が自らのアイデアを数か月ではなく数日で実現できるようになりました」

Ivo Antão氏 Luz Saúde CIO兼取締役

通常の病院や医療機関と同様、Hospital da Luzにも、ERP、電子カルテ、専用の情報システム(研究所、医療、放射線科、薬局向け)、各診療科のソリューションなど、多種多様なシステムオブレコードがありました。これだけでも十分複雑ですが、買収した一部の病院では異なる情報システムを採用していました。

情報ランドスケープが断片化されていたため、ユーザーエクスペリエンスに一貫性がなく、スタッフがシステムを習得しにくい状況に陥っていました。

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Hospital da LuzがOutSystemsを選択した理由:
  • 開発の加速と俊敏性の向上
  • 強力な連携
  • Web/モバイルアプリケーションへの対応
ソリューション

APIエコシステムの構築

2007年、Hospital da LuzはWebベースのアプリケーションのデリバリーを高速化するためにOutSystemsの使用を開始しました。新しいイントラネットと医師向けポータルのデリバリーを成功させた同グループは、さらに意欲的なモダナイゼーションプログラムに取りかかりました。

目標は、OutSystemsを使用して、より俊敏かつ持続的に患者に対するカスタマーエクスペリエンスの変革と、ワークプレイスの革新を実現することでした。アプリケーションアーキテクチャ/システムインテグレーション担当副部長を務めるPedro Damásio氏は次のように説明します。

pedro damasio

「システムオブレコードの大半はESBプラットフォームやHL7統合バスで連携できましたが、モダンAPIのない情報システムもありました。そこでOutSystemsを使用して、ギャップを埋めるためのインターフェイスハブを構築しました。環境を整えたことで、疎結合のシステムオブエンゲージメント構築がはるかに簡単になりました」

Pedro Damásio氏 Luz Saúde アプリケーションアーキテクチャ・システムインテグレーション担当副部長

Luz Saúdeのソフトウェアファクトリーには、約120人の開発者、テックリード、アーキテクトがいます。OutSystemsパートナーの開発リソースを利用することで開発チームに柔軟性を持たせ、開発者の数を1か月あたり5人からピーク時には最大60人へと変動させられるようになっています。

2022年までに、Luz Saúdeは522個のOutSystemsアプリケーションをリリースし、1日に処理するWebサービスのヒット数は1,500万件を超えています。今では、継続的デリバリーに対応するモダンアジャイルアーキテクチャを備えるまでになっています。

OutSystemsを使用することで、Luz Saúdeでは開発者がより多くの役割を果たせるようになりました。その結果、モダンアプリ開発者のスキル不足を解消することができました。また、OutSystemsパートナーコミュニティを利用することで、さらに幅広い人材プールにアクセスできるようになりました。

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「OutSystemsのおかげで、スタッフのユーザーエクスペリエンスや患者様のカスタマーエクスペリエンスの改善を迅速に行えるようになりました」

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David Vieira氏 Luz Saúde IT部門責任者
成果

Hospital da Luzの俊敏性がコロナ禍で成熟

2019年は、同グループ全体にとって患者エクスペリエンスの大きなマイルストーンとなりました。Hospital da Luzが、「MY LUZ」と呼ばれる新しいモバイルアプリと、付属の最新患者向けポータルをリリースしたのです。

Truewind(主要なOutSystemsデリバリーパートナー)の協力を得てOutSystemsで開発したMY LUZは、Hospital da Luzが過去数年かけて開発してきたデジタルエクスペリエンスの多くを統合したものです。医療従事者とのやりとりや健康データへのアクセスを、このアプリ1つで行えます。これで、患者は自身の病歴や請求、支払にアクセスしたり、対面/オンライン診療の予約を取ったりすることができるようになりました。

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Isabel Ventura氏は、2019年9月にデジタルイノベーション担当副部長としてHospital da Luzに入職しました。他の様々な仕事とともにVentura氏に任されたのが、MY LUZの継続的な改善でした。

「現在、私はデジタルイノベーションに関する28件の取り組みを担当しています」とVentura氏は説明します。「そのほとんどがMY LUZに関係しています。MY LUZは患者様のすべてのデジタルエクスペリエンスを集約したものだからです」

MY LUZとそのデジタルサービスは常に進化を続けています。その進化はコロナ禍を通じてますます緊急性が増し、迅速に行われるようになりました。Ventura氏は次のように話しています。

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「2019年にMY LUZなど多くのデジタルサービスをリリースしていて、本当に幸運でした。こうした基盤がなかったとしたら、コロナ禍にすばやく適応することははるかに難しかったでしょう」

Isabel Ventura氏 Luz Saúde デジタルイノベーション担当副部長

感染拡大期間中、Hospital da Luzはソーシャルディスタンスを確保している患者へのサービス提供に不可欠な多くの取り組みを推進しました。そのいくつかを紹介しましょう。

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Luz24

Noesis(OutSystemsデリバリーパートナー)と提携して開発されたLuz24は、患者向けの電話トリアージシステムであり、特別な訓練を受けた看護師が24時間体制で運用しています。リリースから3か月で、毎月4,000件もの問い合わせに対応できるようになりました。

MY LUZ

Truewind(OutSystemsデリバリーパートナー)と提携して開発されたMY LUZには、患者向けのデジタルエクスペリエンスがすべて集約されています。このアプリは常に進化しており、直近では以下のような機能が追加されました。

  • 予約型ビデオ診察 – 患者が医師のビデオ診察を予約して受診することができます。コロナ禍で対面診療が70%減少したため、ビデオ診察は不可欠なサービスになりました。
  • オンデマンド型ビデオ診察 – 予約式ビデオ診察の成功を受け、Hospital da Luzはビデオ診察のオンデマンドアクセスを開始することにしました。これは、事故・救急外来に代わる便利な手段となっています。
  • 症状の報告 – MY LUZアプリを使用すると、Hospital da Luz系列の病院、診療所、介護施設を訪れる際に欠かせない予防措置である新型コロナのスクリーニングとして、簡単に症状の報告をすることができます。
  • ウェアラブル対応 – DeloitteはMY LUZのウェアラブルソリューションを調査・実装したSIerです。この機能のリリースにより、医療従事者はウェアラブルデバイスからGoogleFitとHealthkitを介してMY LUZにデータを同期して、患者の健康状態をリモートで監視できるようになりました。監視できる項目としては、消費カロリー、歩数、心拍数、酸素飽和度、血糖値、血圧、睡眠、体重、体温などがあります。ポルトガルの民間医療患者向けポータルがこうした機能を提供するのは初めてのことです。

ResultLink

Devoteam/Outfit(OutSystemsデリバリーパートナー)と提携して開発されたResultLinkは、医療従事者が様々な報告書にアクセスして確認を行うためのものです。確認が終わると臨床報告と結果が自動的にMY LUZに送信され、臨床医が利用できるようになります。これにより、完全にデジタル化されたセキュアで機密性の高い検査ライフサイクルが実現します。

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CCR

Devoteam/Outfit(OutSystemsデリバリーパートナー)とともに開発したCCRは、臨床患者のデータ概要をわかりやすくまとめた形で医療従事者に提供しています。これは、患者が複合疾患を持つ場合に極めて重要です。複数の医療分野、医療部門、システムのデータを組み合わせて包括的に把握する必要があるためです。

Luz Saúdeは、OutSystemsを高速イノベーション実現の鍵ととらえています。Luz SaúdeのCIO兼取締役であるIvo Antão氏は、次のように語ります。

「最近、アジャイルチームに参加したいという医療従事者の数が募集枠を超えました。これも、数か月ではなく数日でアイデアを実現できるOutSystemsの開発スピードに魅力を感じているからです。OutSystemsを使用すれば、アジャイル開発も簡単です」

Ivo Antão氏 Luz Saúde CIO兼取締役