

Medtronicは心拍数監視サービスで患者ケアを向上
医療機器企業のMedtronicは、OutSystemsを使用して心臓病患者向けの監視・トリアージシステムを開発することで、病院スタッフの作業時間を削減し、患者ケアを向上させました。
Boston Scientificのヘルスケアソリューション&パートナーシップ(HS&P)チームは、大手医療機関と協力して柔軟なデータ駆動型ソリューションを開発し、患者ケアの改善とコスト削減を両立させました。高速で反復的なイノベーションを促進するためにBoston Scientificが選んだのが、OutSystemsとデリバリーパートナーのDevoteamでした。
Boston Scientificの最初の製品であるClearpathは、集学的医療チームに対して衛星ナビゲーションのような役割を果たします。複雑な経路を通じ、特定の心臓手術やインプラントなどについて、患者の病歴確認、看護、監視をサポートします。近いうちにがん治療にも対応できるようになる予定です。
Boston Scientificは、世界中の患者の健康状態を改善する医療機器や革新的な医療ソリューションを開発している世界的企業です。1979年に設立された同社は、36,000人を超える従業員を擁し、約100億米ドルの収益を上げています。
「俊敏性と信頼性の2つが最優先事項だったので、OutSystemsを選択しました。OutSystemsには、アジャイルなイテレーション開発を最大限まで促進するうえで必要となるスピードと、臨床データを保護するためのセキュリティのベストプラクティスが備わっています。OutSystemsのパートナーネットワークの多彩さと専門知識も魅力です。Devoteamとのパートナーシップにも満足しています」
Cristian Toader氏は、2017年にデジタルソリューションマネージャーとして同社のヘルスケアソリューション&パートナーシップチームに加わりました。Cristian Toader氏は、2017年にデジタルソリューションマネージャーとして同社のヘルスケアソリューション&パートナーシップチームに加わりました。こうしたイノベーションのベースには、高度なコラボレーションがあります。顧客との長期的なパートナーシップにより、ニーズに合わせて差別化・調整されたソリューションが生まれるのです。Toader氏の役職からも明らかなように、こうしたソリューションはデジタルテクノロジー頼りになってきています。
ある病院のクライアントと作業をしていたHS&Pアドバイザリーチームは、繰り返し発生している問題があることに気づきました。医師が、「LAAC」(左心耳閉鎖術)と呼ばれる心臓手術が有効であったかもしれない患者を、最大で90%見落としていたのです。患者の病歴を確認するのに時間がかかりすぎることが、再入院の繰り返しにつながっていました。そこで、医師が患者のケアや転帰を改善できるよう、HS&Pチームは2つの仮説を検証することにしました。
1. 患者のデータ(病歴、診断結果、処置、予約、観察記録など)にアルゴリズムを適用して、LAAC治療が必要と考えられる患者に自動的にフラグを付けてから医師に確認してもらうことは可能か。
2. 集学的医療チームが患者を診断・治療するために必要なタスク、コミュニケーション、コラボレーションを効率化することは可能か。
以前に行ったデジタル実験では、コーディングに時間がかかったうえ変更も難しく、サードパーティ製のホワイトラベルソフトウェアによる制約もありました。よりアジャイルなアプローチを求めいたToader氏に、ある同僚がOutSystemsを試してみてはどうかと提案しました。
ローコード市場を調査し、OutSystemsが提供する無償のPersonal Environmentを数日間試したToader氏は、OutSystemsに可能性を見出しました。しかし、実験を加速するために、経験豊富な開発者と一緒に作業を進めたいと考えました。
そこでOutSystemsから紹介されたのが、現地のOutSystemsデリバリーパートナーであるDevoteamでした。概念実証(PoC)を経て、Boston Scientificは2019年12月にOutSystemsユーザーになりました。このPoCは、後に利益をもたらす診断スコアリングアプリに進化することとなります。
2020年、Toader氏をプロダクトオーナーとするHS&Pの5人のスタッフと、Devoteamの2人(時に3人)の開発者からなるプロジェクトチームは、実証可能なClearpathのMVPを完成させました。
「Clearpathの設計上の重要な考慮事項のひとつが、構成可能なマルチテナント機能でした。この機能があると、各病院にソリューションをセキュアにデプロイし、様々な病院システムとすばやく連携して、多様な治療法に対応するアルゴリズムとワークフローを構成することができます」
この開発で鍵となった側面は以下のとおりです。
顧客や潜在的ユーザー向けのデモを定期的に開催しながら、ソリューションを改良するためのイテレーション開発が続けられました。「開発を通じて、多種多様な治療法にClearpathを適用できることを確信できるようになりました」とToader氏は振り返っています。
Clearpathが病院チームにもたらしたメリットを簡潔かつ視覚的にたとえるとしたら、「衛星ナビゲーション」でしょう。患者の病状の多くは複雑で診断がつきにくいものです。診断がついたとしても、ヘルスケアチームが長く複雑なクリニカルパスに渡り患者を安全かつ効率的に管理し続けることは簡単ではありません。
Clearpathは衛星ナビゲーションのように患者の治療過程をガイドし、医師、看護師、臨床工学技士からなる集学的チームがあらゆる段階でより迅速かつ安全にコスト効率よくコラボレーションを進めることができるよう支援します。
Clearpathは、患者の症例記録に関するすべての情報、タスク、コミュニケーションを収集します。また、ワークフローのどの段階でも、ステータスと次のステップを簡単に確認できます。Clearpathを使用すると、医師もメールに関連する手作業や遅延から解放されます。
Devoteam delivers Innovative Technology Consulting for Business.
Learn more about Devoteam病院での試用で得られたフィードバックからも、Clearpathが驚異的な成功に向かっていることは明らかです。アンケート結果は以下のとおりです。
4.8
Clearpathは集学的チームにおける医療の連携を改善する
4.5
Clearpathは患者の分析とトリアージにかかる時間を削減する
5.0
Clearpathは使いやすい
4.8
Clearpathは信頼できる情報を提供する
Clearpathの成功を決定的なものにしているのが、HS&Pチームが個別の病院や治療向けのソリューションをすばやく構成・統合できるという点です。オリジナルのLAACソリューションに加えて、Clearpathは心臓除細動器インプラント、脳深部刺激インプラント、深部静脈血栓症治療、画像下腫瘍治療もサポートできるようになっています。
製品の大規模デプロイを目前に、Boston Scientificは他の様々な治療法にもClearpathを活用できないか検討していくことにしています。