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医療機器プロバイダのMedtronicは、心拍数監視サービスで患者ケアを向上

50% IT予算を削減
80% 医療従事者が確認するデータを削減
450,000 セッション以上をトリアージ
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世界中で数百万ものコネクテッドインプラント機器が使用され、絶えず患者データが収集されています。それでも医療機関では、患者の健康状態に関するインサイトを適時に得て積極的に治療を行うことの難しさに苦慮しています。

世界最大手の医療機器企業であるMedtronicは、OutSystemsを使用して、心臓の状態の遠隔監視とトリアージを行うプラットフォームであるFocusOn™を開発することにしました。FocusOn™により、病院スタッフの作業時間の削減と患者の治療効果の向上を実現できます。

  • ケース管理
  • 業務効率の向上
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「私たちの取り組みが最終的に、患者ケアの向上と病院スタッフが患者を処置しているときの負担軽減につながっています。それこそが一番大切なことです」

Karel Nouwen氏 Medtronic デジタルビジネスおよびデジタルヘルス部門シニアITディレクター
課題

救命用心拍数監視の新しいプラットフォーム

Medtronicにとって、初めての医療イノベーションではありません。Medtronicは1949年に医療機器の小さな修理店としてスタートした後、一躍業界の第一線で活躍するようになりました。1957年には電池を使用した体外式ペースメーカーを世界で初めて開発し、その後も新しい機器や治療法の開発を続けています。Medtronicは現在、心疾患用の埋め込み型デバイス、脊椎インプラント、自動インスリンポンプといった機器などのテクノロジーを提供し、70以上の慢性疾患の治療をサポートしています。

Medtronicの機器は世界中の数百万人もの治療において重要な役割を果たしています。このうち、接続機能がある機器では共有可能な数千件のデータポイントが常時生成されています。特に、心拍リズムやデバイスの診断を監視するデバイスの場合、データがMedtronicのCareLinkネットワークに1日に最大1回アップロードされ、病院スタッフが患者の健康状態を追跡して治療が必要なときに積極的に処置する最適なタイミングが提示されます。

ここでの課題は、病院スタッフに関連情報を提供する方法を見つけることでした。このとき、データが過剰にならないようにしたり、すでにかなりの負荷を抱えているスタッフに余計な分析タスクが発生したりしないようにする必要がありました。単純に、このような継続的なデータフローを管理するために必要なスタッフ、スキル、ツールが医療機関にはありません。

「必要な機能をすばやく、かつ簡単に開発できるセキュアなプラットフォームを探していた当社にとって、OutSystemsはまさにうってつけでした」

Karel Nouwen氏 Medtronic デジタルビジネスおよびデジタルヘルス部門シニアITディレクター

Medtronicにとって、この課題に対応することはビジネスのデジタル化を意味します。「Medtronicは痛みの緩和、健康の回復、寿命の延長に関するあらゆることに取り組み、それによって発展を続けてきました」と、Medtronicデジタルビジネスおよびデジタルヘルス部門シニアITディレクターのKarel Nouwen氏は述べています。

「当初、私たちの仕事は機器を開発することのみでしたが、現在では、患者の治療効果のさらなる向上を目指すために、製品にはデジタルの側面もあります」

この変化が明らかになったときから、Karel Nouwen氏のチームは、専用プラットフォームの開発を開始しました。このプラットフォームでは、Medtronicの機器からのデータのモニタリングと解釈、早急な対応が必要なケースのトリアージ、処置が必要な場合の病院スタッフへの警告を、過剰なデータで病院スタッフの負荷を増やすことなく行うことができます。

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MedtronicがOutSystemsを選択した理由:
  • eHealth分野での優れた実績
  • エンタープライズレベルの拡張性とセキュリティ
  • 開発の加速と俊敏性の向上
ソリューション

調達ではなく開発によって快適なソリューションを実現

Medtronicは、サードパーティの既製のeHealthプラットフォームを使用して、IoTに対応した管理およびトリアージプラットフォームであるFocusOn™のバージョン1.0を作成しました。しかし、チームは、Medtronic固有の要件に応じたカスタマイズが難しいことにすぐに気付きました。

Medtronicのチームはこれを解決するため、アプリケーション開発プラットフォームを使用したメジャーアップグレードの計画と予算編成を開始しました。Karel Nouwen氏のチームは、eHealth分野で優れた実績を誇り、汎用性の高い機能や必要不可欠なビルトインのセキュリティ機能を備えたOutSystemsを使用することにしました。

Medtronicは、FocusOn™で取り扱う機密データを保護するため、SOC2 Type IIに準拠したクラウドプラットフォームであるOutSystems Sentryを選択しました。Karel Nouwen氏は次のように述べています。「必要な機能をすばやく、かつ簡単に開発できるセキュアなプラットフォームを探していた当社にとって、OutSystemsはまさにうってつけでした」。

「OutSystemsを選択した大きな理由の1つは、その柔軟なライセンスモデルです」

Karel Nouwen氏 Medtronic デジタルビジネスおよびデジタルヘルス部門シニアITディレクター

「デジタルヘルスソリューションでは、アプリケーションを使用する患者数を確実に予測することができません。アプリケーションによっては50人しかいない場合もありますが、別のアプリケーションでは50,000人を超える場合もあります。OutSystemsを使用すると、迅速に拡張することができ、それに合わせて予算を変更する必要がないのです」

MedtronicはOutSystemsを使用して、OutSystemsのパートナーであるer Noesis. による開発サポートを受けながら、FocusOn™ 2.0のPoCから本番リリースまでを、わずか6か月で行うことができました。また、OutSystemsを使用して開発されているため、Karel Nouwen氏のチームは要件の変化に応じて迅速かつ容易にプラットフォームを調整することができます。さらに、OutSystemsを使用したことにより、プログラムに必要なIT予算を約50%削減することができました。

FocusOn™は、患者に埋め込まれたデバイスの監視データをMedtronicのCareLink™ネットワークを経由して取得します。心拍リズムの異常、デバイスの診断エラー、その他の問題を分析し、警告を表示します。異常が見つかった場合は自動ワークフローがトリガーされ、患者を担当する医療機関に通知され、処置の予約や緊急処置などの最適な方法で対応できるようにします。

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成果

コネクテッドヘルスケアによって時間を短縮し、患者ケアを向上

FocusOn™によって、心臓用機器からの収集データのうち80%が医療機関に提供されるデータから除外されます。このため、医療機関では時間を効率的に使用することができ、48時間以内の対応が必要な症例(約20%)など、リスクの高い症例の評価と治療に当たることができます。

2016年6月に稼働を開始して以降、FocusOn™は13か国の患者の450,000件以上の送信データをトリアージし、病院スタッフの35年分の作業時間を削減しました。

FocusOn™は、わずか15分で新しい病院に導入することができます。Karel Nouwen氏は次のように述べています。

「ユーザーエクスペリエンスを特に簡素化することが重要でした。病院スタッフは、毎日複数のシステムを使用します。FocusOn™によって、複雑な作業が追加されることなく、スタッフの作業を楽にする必要がありました」

Karel Nouwen氏 Medtronic デジタルビジネスおよびデジタルヘルス部門シニアITディレクター

Medtronicに対する病院の反応は、非常に良いものでした。「このようなデータの処理と情報の取得を信頼できるパートナーにアウトソーシングし、患者に対して適切な治療と安心を提供できることは、私たちにとって非常に大きな価値があります」と、マンチェスター王立病院の顧問心臓専門医であるAmir Zaidi博士は述べています。

プロジェクトが初めて成功した後、Medtronicのチームはプラットフォームの将来を楽観しており、導入する病院と患者が急速に増加すると見込んでいます。

「これはまだ始まって間もない取り組みですが、最初の成果から考えて、明るい見通しが期待できます」と、Karel Nouwen氏は言います。「また、私たちの取り組みが最終的に、患者ケアの向上と病院スタッフが患者を処置しているときの負担軽減につながっています。それこそが一番大切なことです」。