

Banco Santander Consumer Portugalは、デジタルトランスフォーメーションプラットフォームとしてOutSystemsを導入
ノルウェーの金融機関Santander Consumer FinanceがOutSystemsを使用してIT基幹システムの70%を3年でリプレースした方法をご確認ください。新たに獲得した俊敏性により、成長を促進するだけでなく、パートナーやお客様に対するカスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。
前田建設工業株式会社(以下、前田建設)は、1993年から自社で開発運用してきたLotusNotesを、ローコード開発環境である「OutSystems」でマイグレーションした。このプロジェクトで得たOutSystemsのノウハウや、保守性の高さ、DevOps環境としての有用性といったメリットを、今後は既存の基幹システムの迅速なフロントエンド開発や、DXを視野に入れた高付加価値業務システムの整備などにも適用していく計画だ。
「ローコードツールは、それまでにもいくつか評価していたが、実際の開発においては、最初の足場を作る程度のものであり、生成されたコードは開発者が手直しをする必要があるというイメージだった。しかし、OutSystemsについては、生成されたコードにほとんど手を入れる必要がなく、コンポーネントベースでの管理、再利用も容易で、保守性の高さというメリットを強く感じた」
1919年の創業以来、ダム、道路、橋、空港、商業施設など多種多様な社会インフラの建設技術で、国内及び海外の都市づくりを支えてきた前田建設。創業100周年を経た現在は、長年培ってきたエンジニアリング力に、各種のサービスを融合させた「総合インフラサービス企業」への飛躍に注力している。
新たなサービスの開発や展開にあたって、重要なカギとなるのがテクノロジーだ。前田建設においても、世界的なデジタル化の潮流の中で、自社の強みとなる領域を核として、最新のテクノロジーから新たな価値を生みだしていく「デジタルトランスフォーメーション」(DX)を加速させている。
同社のDXを推進するエンジンとして「知識革命」と「生産革命」を挙げるのは、前田建設 情報システム総合センター長の廣田憲治氏だ。「知識革命」とは、企業活動によって生みだされる多種多様なデータを蓄積、分析し、その結果に基づいた経営判断、業務遂行のPDCAサイクルを迅速に回せる環境を作っていくこと。「生産革命」は、AIやIoT、ロボティクスといった最新のテクノロジーを取り入れつつ事業のあり方を変革していくことを指す。
これらの「革命」を実現していくためには「業務プロセスのルールチェンジ」「新しいルールに則してデータを蓄積・分析・活用するシステムの整備」「データ活用人材の育成」が柱になるという。この取り組みは、現在、事業変革室・DX推進室と情報システム総合センターが中心となり、全社規模で進行中だ。
同社では、業務のためのシステム開発や運用の多くを内製で行ってきた。2013年以降は、「BizSide」と命名した自社開発のシステム統合基盤を構築。この基盤を、パブリッククラウドサービスなどとも柔軟に連携させながら、システムのマイクロサービス化や、API連携によるモダンなシステム連携とデータ活用環境の構築を進めている。
OutSystemsを導入するきっかけとなったのは、2018年に取り組んだ「Notes/Domino」(旧「Lotus Notes」)のマイグレーションプロジェクトだった。同社がNotesを導入したのは1993年。Notesは、企業内で情報共有をしながら仕事を進める「グループウェア」の先駆けとなるパッケージであり、1990年代後半に、多くの国内企業に導入された。ドキュメントデータベース(DB)とスクリプトによる開発環境を備えており、自社の業務に合わせた簡易なアプリケーション開発がユーザーレベルで行えることも魅力のひとつだった。
しかし、2000年代以降、インターネットとWebの技術が企業システムにおいても主流となるにつれ、旧来のクライアント/サーバ時代のアーキテクチャをベースとするNotesは、徐々にレガシーシステム化していった。Notesの運用スキルを持ったエンジニアの確保が難しくなり、システムを構成するソフト、ハードのサポートも終わっていく中で、2000年代後半以降には、情報資産であるNotes上のアプリケーションやデータを、他のシステムに移行する「Notesマイグレーション」の取り組みが活発化した。
前田建設においては、Notesの運用を続けてきた25年間の間に、約3500個にのぼるDB(Notesアプリケーション)が構築されていた。マイグレーションにあたって、同社では全DBの棚卸しを実施。それぞれの内容を吟味して、移行対象を1000個に絞り込んだ。その1000個に対して、更新と閲覧の履歴を基準に「システム全体を移行するもの」と「データのみを移行して閲覧専用とするもの」に分類。さらにDBの用途によって「ナレッジ系」と「非ナレッジ系」に分類し、それぞれに移行先を決定した。
非ナレッジ系データの移行先はSQLServerを、ナレッジ系データの移行先としては、企業向けNoSQLデータベース「MarkLogic」を用い、いずれもフロントエンドのアプリケーションをOutSystemsで構築するという構成だ。
OutSystemsを選択した理由:
クラウドネイティブ指向
ローコード開発によりアジャイル開発と親和性が高い
DevOpsの機能を有し、開発からデプロイまで一気通貫
BlueMemeは、ビジネス分析からシステム開発までのプロセス全体で革新的な技術と方法論を用いたエンタープライズアプリケーション開発の革命を通じて、日本企業全体のグローバルな競争力の向上をもたらしています。
BlueMeme Incの詳細今回のプロジェクトにOutSystemsを採用した理由として、廣田氏は「クラウドネイティブ指向であり、モバイル化も容易であること」「自社で取り組んでいるアジャイル開発の体制に、ローコードツールとして親和性が高かったこと」「DevOpsの機能を備え、開発からデプロイまでのプロセスを一気通貫で行えること」を挙げた。
OutSystemsによる開発プロジェクトの体制は、パートナーのBlueMemeと緊密に連携しながら作り上げていった。まず、リファレンスモデルとなるアジャイル開発チームをBlueMemeとの共同で結成。その中で、開発プロセスの標準化を行い、次の段階で、そこで得たスキルとプロセスを、社内の他のアジャイルチームに横展開していった。その後は開発ボリュームによって、チーム数を増減させつつ、大規模な並行開発を実施。結果として、2018年2月のプロジェクト開始から約2年間の間に、業務向けの200におよぶアプリケーションと、6つの汎用アプリをOutSystemsで新規開発し、プロジェクトは完了した。
新しいアプリケーションには、Notes上では困難だった添付ファイル内部を含めた全文検索機能や、あらかじめ設定された検索条件でデータを抽出する「ファセット検索」機能なども盛り込まれ、ユーザーの使い勝手も向上しているという。
前田建設では、このNotesマイグレーションプロジェクトを皮切りに、既存基幹システムにおける新たな業務ニーズに対応するための新規開発や、高付加価値業務システムの開発といった領域にもOutSystemsの適用を検討しているという。
DXのロードマップにおいて、迅速かつ品質の高い開発運用環境が貢献する領域は広い。前田建設が推進するDXの取り組みの中で、OutSystemsが担う役割は、今後さらに大きなものになっていくだろう。
「当社では、これまでOSSを使って、独自のDevOps環境を構築していたが、OSSのバージョンアップや依存性の問題に悩まされることが多く、環境を維持するための作業に多くの時間と労力がかかってしまうことが課題だった。OutSystemsという、保守性に優れた開発運用環境を取り入れたことで、ビジネスに貢献するシステムの開発運用という、情報部門の本来の業務に、より多くのリソースを投入できるようになった」