
ISB Global Gains 30% Efficiency in Waste Management With IoT App Built on OutSystems
ISB Global spotted an opportunity to bring new efficiency to its waste management customers’ operations by making better use of the data from IoT devices.
ある世界的な化学メーカーは、従業員にSAPシステムが浸透しないという問題に悩んでいました。モバイルアクセスができないことや、SAPの使用方法がよくわからないことで、データの更新が遅れたり、アクセスに時間がかかったりするケースが多くあったのです。この問題は、SAPシステムと連携可能な35個のモバイルアプリスイートを実装することで解決しました。
現在では、4,000人以上の従業員と数万のサプライチェーンパートナーが、時間や場所を問わず必要な情報に簡単にアクセスでき、SAPのデータは常に最新の状態になっています。これを実現したのは、モバイルアプリ開発の経験がない2人の開発者でした。ここでは、OutSystemsがどのように開発を支援したのかを実例とともに紹介します。
「OutSystemsの機能は驚くべきものでした。スピード、柔軟性、連携の面で、OutSystemsが当社のニーズに最適なプラットフォームであることを認識しました」
同社の基幹業務システムは、他の多くの大手化学メーカーと同様、SAPに大きく依存していました。しかし従業員の多くがSAPは複雑すぎると感じていたため、同社のIT部門では、分散している従業員のモビリティを高めてシステムを使いやすくすることが課題になっていました。各工場でSAPの使用方法について十分なトレーニングを受けているのは、通常1人か2人だけでした。スタッフの大半は1人で作業を行うことができず、データが古くなっていることも多かったため、作業の遅れが発生し、フラストレーションが溜まっていました。
「モバイルアプリ開発の経験はありませんでしたが、OutSystemsを導入することで自社開発が可能になり、35個のWebアプリとモバイルアプリを開発できました。これにより、従業員やサプライチェーンパートナーの業務が簡素化され、業務スピードも向上しました」
全従業員が使用できるシンプルなモバイルアプリスイートを開発すれば、モビリティが実現します。また、SAPシステムに保持されているデータをスタッフが取得・更新できるようになり、データ品質とオペレーショナルエクセレンスも向上するはずです。
そこでまず、こうしたモバイルアプリをSAPのテクノロジーで開発するという案が出ました。しかしITチームは、このアプローチでは時間と費用がかかりすぎるうえ、その複雑さのせいで開発を外部リソースに依存することになり俊敏性も失われると判断しました。
モバイルアプリを開発して誰でもSAPにアクセスできるようにする簡単かつ迅速な方法を模索した結果、ITチームは代替案としてローコードを採用しました。そして、PoC(概念実証)用のCRMアプリケーションでローコード開発プラットフォームを評価・テストしました。SAPとの連携が評価の重要な側面でした。
「OutSystemsの機能は驚くべきものでした」とモビリティマネージャーは語ります。「スピード、柔軟性、連携の面で、OutSystemsが当社のニーズに最適なプラットフォームであることを認識しました」。
2017年以来、同社のITチームはOutSystemsで35個以上の新しいアプリを開発し、従業員のモビリティと効率を変革しています。
ローコード導入後の早い段階で、ITチームはOutSystemsでの開発のガバナンスと標準を確立しました。
「OutSystemsを使用すると、すばやく簡単に開発を行えますが、開発者を管理するとともに、高品質なソリューションの開発に必要な標準も整備したいと考えていました」
同社の35個以上のOutSystemsアプリは、販売、研究開発、受注・回収、人事、資産管理、PLM、調達・決済、価格設定、調達、製品安全性、IoTなど、ビジネスのほぼすべての側面に対応しています。
また、OutSystemsに組み込まれた強力な連携機能により、SAP ERP、SAP BW、Tableau、Azure Services、Office 365、Salesforce.com、IoT接続プラットフォームなど、多様なビジネスシステムとの連携も実現しています。
同社のITチームが開発したOutSystemsアプリの一例を以下に示します。
統合販売ツール
統合販売ツールはモバイル訪問販売を変革しました。これまで営業担当者は、顧客訪問時にノートPCとVPN接続を使用していました。現在では、モバイルデバイスを使用して、顧客情報の表示、顧客訪問時の必要な持ち物の確認、技術や安全に関するドキュメントの検索、現在の注文状況の確認、詳細な注文履歴へのアクセスを行えるようになっています。顧客情報を包括的に把握できるため、出先での業務が大きく改善されました。
PLMドキュメント検索
PLMドキュメント検索アプリは、製品情報、技術データシート、品質証明書へのアクセスに大変革をもたらしました。以前は、こうした管理文書にはSAPにログイン済みのPCやノートPCからでないとアクセスできませんでした。現在は、遠隔地のスタッフでも、特別なトレーニングを必要としない直感的なアプリを使用して品質管理文書を簡単に取得することができます。
資産管理
資産管理アプリは、ITチームが開発した比較的複雑なアプリケーションのひとつです。アプリ全体(バックエンド、Web UI、モバイルアプリ)が、OutSystemsプラットフォームで開発されています。このアプリケーションでは、機器のレジストリや、あらゆる資産の詳細な保守履歴を確認できます。フィールドサービスと保守スタッフは、日常的にこれを使用しています。
わずか2人(場合によっては3人)の社内開発者とスクラムマスターで構成される同社のチームは、小規模ながら3年足らずで35個以上のWebアプリケーションとモバイルアプリを開発しました。
「ビジネス部門と開発チームで継続的にコラボレーションを行い、UXデザインを重視することで、ビジネス部門に適したソリューションの開発体制が大幅に向上しました」
同社はモバイルアプリ開発において外部リソースに依存する必要がなくなりました。少数精鋭の社内開発チームは対応力が極めて高く、アプリの軽微な機能強化であればわずか2時間で完了できます。また、完全に新規のアプリケーションでも開始から完成まで数日~数週間ほどです。
アプリを同社の基幹業務システムと連携したことで、当初の2つの目標も達成されました。1つは、必要に応じて時間や場所を問わずデータにアクセスできるようにすることです。もう1つは、ユーザーが別のシステムにログインしなくてもビジネスに不可欠なデータを更新できるようにすることでデータの品質を向上させることです。
OutSystemsプラットフォームで開発したWebアプリとモバイルアプリは、ほぼあらゆる業務に活用されています。ほんの数例を以下に示します。
同社は、Webアプリケーションのレスポンシブなユーザーインターフェイスをモバイルデバイスで問題なく使用できることにも気づきました。
「オフライン機能が必要な場合だけ、ネイティブモバイルアプリを開発するようにしています。それ以外の場合は、レスポンシブWeb UIであってもサポート対象のすべてのデバイスで正常に機能するため、余計な労力を開発にかけずにすみます」
急ピッチで行われるローコード開発により、同社はアジャイル開発への対応を進めることができました。最近では、新規のアプリにビジネス部門からプロダクトオーナーを割り当てるようにしています。「ビジネス部門と開発チームで継続的にコラボレーションを行い、UXデザインを重視することで、ビジネス部門に適したソリューションの開発体制が大幅に向上しました」モビリティマネージャーはそう言います。
チームはアプリケーションの実際の利用率から業務の成果を評価しています。「満足度が高ければ、利用率も高くなります」モビリティマネージャーはそう語ります。現在、同社の約4,000人の従業員に加えて、サプライチェーン内の数万人のユーザーが、同社のWeb/モバイルアプリを日常的に使用しています。
開発は順調そのものです。チームが現在取り組んでいるのは、ビジネスに不可欠な製造アプリ、顧客向けアプリ、IoT関連の業務です。