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Redington Gulfは、OutSystemsとRPAを組み合わせることで、SAP連携をシンプルに保ちながらデータ入力時間を3分の1短縮

数十億ドルの売上高を誇るITディストリビュータのRedington Gulfは、複雑で手作業の多いリベートプログラムの管理方法の刷新を検討していました。しかし、コアシステムを変更する高速でコスト効率に優れた方法がなかったため、コアシステムの周辺を開発することにしました。そこでOutSystemsを導入し、わずか3週間でRPA支援アプリを作成したのです。この新しいアプリによって、データ入力時の効率性と正確性が向上してユーザーの負担が軽減したほか、今後のプロセス再設計に活用できる実証済みのテンプレートとなりました。

>2x faster development

開発を2倍以上高速化

First adoption in just three weeks

わずか3週間で最初の導入を実施

33% reduction in time spent on data input

データ入力の所要時間を33%短縮

Avoided expensive SAP customization

SAPのカスタマイズコストの増加を回避

「OutSystemsを使用すると、ユーザーの用途にかかわらず、先進的で包括的なモバイルUIを提供することができます。その一方で、バックエンドシステムはシンプルなままで保守しやすいのです」Redington Gulf ビジネストランスフォーメーションおよび情報システム担当バイスプレジデント Sunil D’Souza氏

注目すべきビジネスと普遍的な課題

課題 - Redington Gulfは、中東およびアフリカ地域で主要なテクノロジーブランドを取り扱っています。多くの企業と同様に、パッケージソフトウェアの変更は難しく、標準のERPソフトウェアの変更には非常に時間がかかるため、面倒な手作業のプロセスがいくつも発生していました。

ビジネストランスフォーメーションおよび情報システム(BTIS)担当バイスプレジデントのSunil D’Souza氏は次のように述べています。「2006年に、当社はプラットフォームを全面的にSAPに統一することを決めました」。これにはメリットもありましたが、Sunil D’Souza氏らのチームは、ニーズが拡大するにつれて、必要な情報へのアクセス権をすべてのユーザーに付与することが困難になっていくと感じました。カスタマイズには多くの時間とリソースが必要であり、その後のアップグレードも難しくなります。

リベート管理プログラムがよい一例でした。Redington Gulfのビジネスモデルは、テクノロジーを仕入れた価格以上で販売することで成り立っています。これは簡単なようですが、製造元の継続的なイノベーションによって価格が下落し、ディストリビュータが既存の在庫を利益が出る価格で販売できなくなることもよくあります。

これを解消するため、製造元はリベートプログラムを提供しています。これは、条件を満たす顧客に特定の製品を販売した場合に、ディストリビュータにリベートが支払われる仕組みです。しかし、Redington Gulfは数百社の製造元と取引を行っており、リベートも絶えず変更されることから、リベートの管理が非常に負担になっていました。

コアシステムのカスタマイズには限界があるため、Redington GulfではFTEベースで11人のチームに作業を任せ、エラーが起こりやすい手作業でのデータ入力を行い、アクティブな多数のプログラムの記録を絶えず行っていました。

OutSystemsによるRPAの進化

ソリューション - 2016年、Redington Gulfは高速アプリケーション開発プラットフォームの調査に乗り出しました。「当社が求める先進的なワークフローを、SAPと連携しながら実現できるシステムを探すことにしました」と、Sunil D’Souza氏は述べています。Redington Gulfは、自社のSAPデータを使用したPoCに成功した後、OutSystemsを購入しました。新しいアプローチによる最初の重要なテストは、リベートプログラム管理の全面的な見直しでした。

OEMでは、リベートプログラムに関する情報をPDF形式で、メール、EDI、またはポータルを通じて共有しています。以前は、プログラムが変更されるたびにリベートプログラム管理チームが手作業でこれらのPDFからデータを抽出し、Excelシートに入力して情報を更新する必要がありました(プログラムによっては、90日で120種類のバージョンに達することもありました)。

Redington Gulfの開発者はOutSystemsとRPAを組み合わせて、このプロセスを変革するアプリを作成し、わずか3週間で最初の導入にこぎつけました。従来のツールを使用すると、最初のリリースでさえ8週間はかかるところです。現在は、RPAによってOEMのメールやPDFが読み取られ、Excelシートにデータが入力されます。OutSystemsでは、ビジネスロジックが保持され、データが検証されて最新式のモバイル対応UIで表示されます。

大幅な効率化と業務のスマート化

成果 - Redington Gulfは、OEMの上位4社のリベートプログラムを新しいアプリで管理しています(執筆時点)。これにより、リベート管理チームのデータ入力時間をすでに3分の1短縮しています。その他のリベートプログラムも移行するため、さらに大幅な時間の節約が期待されます。Sunil D’Souza氏は次のように述べています。「今後数四半期の間に、データ入力にかかる時間と労力がますます少なくなることを期待しています」。

アプリによってデータの正確性も一変し、Redington GulfのレコードとOEMのレコードの不一致を容易に解決できるようになりました。同時に、業務の透明性も大きく向上しました。たとえば、SAPとの連携を利用して、販売数量がリベートプログラムの上限を超えそうなときにアプリからビジネスチームに警告を通知することができます。これによって、採算の取れない販売を未然に防ぐことができます。

もう1つの重要なメリットは、プロセスの再設計によって徹底的な効率化を促進できることです。リベート管理者は、あらゆるデバイス上で単一のダッシュボードを使用して、すべての主要プログラムの詳細を参照することや、ベンダーのクレジットノートの作成や管理を行うことができるようになりました。

Redington Gulfの開発チームも満足しています。最初は.NETのアプローチから離れることに不安を感じていましたが、すぐにローコードに慣れました。BTISゼネラルマネージャーのSrinivasan CR氏は次のように述べています。「当社にはOutSystems認定開発者が2人在籍し、そのほかに3人の開発者がOutSystemsプロジェクトに携わっています。私がもし「これからまた.NETを使ってもらう」と言っても、おそらく誰も従わないでしょう」。

 

現在、Redington Gulfではリベートプログラム管理アプリでの成功を、今後のプロセス最適化のテンプレートとして活用することに前向きです。「OutSystemsのおかげで、コアシステムのをシンプルに保ちながらビジネスプロセスを変革することができました」と、Sunil D’Souza氏は言います。「当社が実現したプロセスのスピードは驚くべきものです」。