

Green Cargoは、OutSystemsを使用して段階的なクラウド移行を推進
環境に配慮した鉄道物流の大手Green Cargoがイノベーションの力を再認識し、OutSystemsを使用しておよそ10倍ものスピードでデジタルイノベーションを実現した方法をご確認ください。
オーストラリアを代表する世界的な海運会社のMonsonでは、動きの遅いサードパーティのレガシーSaaS製品が足かせになっていました。同社は自らの手で舵を切ってデジタルイノベーションを推進し、比類のないスピード、透明性、柔軟性をクライアントに提供したいと考えていました。そこでOutSystemsのデリバリーパートナーであるKiandraの協力を得てMB2を開発し、より高速なサービス、より豊富なインサイト、そして船舶、寄港、財務情報に関するリアルタイムデータとのシームレスな連携をクライアントに提供できるようにしました。
オーストラリアを代表する世界的な海運会社であるMonsonは、オーストラリアからアジアにかけて30箇所以上に港湾業務のオフィスを構えています。同社は、世界中の船主、船舶業者、輸出業者、鉱物業者、高額商品を扱う顧客にサービスを提供しています。
「プロダクトオーナーから見ても、スピード感と開発のしやすさには驚くべきものがありました。Kiandraに要件を渡すと、すぐにたたき台となるプロトタイプのデモを持って戻ってきてくれました。私たちのコラボレーションの成功要因は、OutSystemsのスピードです」
Monsonは、熟練の港湾代理店兼海運アドバイザーとしてクライアントの海運物流や寄港の計画、見積もり、実施を支援しています。アジア太平洋地域で40年以上に及ぶ実績を積んできたMonsonは、他社の追随を許さない専門知識を活かして、費用対効果が高く効果的で持続可能な海運関連の意思決定を下せるよう、顧客をサポートしています。市場では昨今、こうした知識を活用するうえでデジタルインタラクションが欠かせないものになってきています。
しかし、MonsonのビジネスはレガシーのSaaS海運システムに全面的に依存していました。多くの港湾代理店が使用するこのシステムは、様々な港湾、関税制度、管轄区域のニーズに合わせて過度にカスタマイズされていたため、低速で扱いにくくなっていました。
「当社は多くの問題を抱えていました。システムが低速なうえにカスタマイズ性も低く、デリバリーするのに何か月もかかっていました。クライアント固有のニーズに対応するために、何時間もかけてExcelやWordにデータを再入力して使用していましたが、その結果、データの品質が低下し、管理情報に不備が発生してしまっていました」
さらに、顧客はこのシステムにデジタルアクセスできなかったため、運用スタッフが毎日膨大な時間を費やして、船舶、貨物、支払口座を顧客に逐次報告するためのレポートやメールを手作業で作成せざるをえませんでした。
Monsonは、SaaSプロバイダーの制約から脱却してデジタルトランスフォーメーションを進める必要性を痛感していました。そこで、自社のIPを所有すること、ポータルとAPI接続を介して先進的なデジタルエクスペリエンスを顧客に提供すること、さらには従業員の士気や生産性に悪影響を与えるその場しのぎの回避策を排除することに決めました。
ソフトウェア開発パートナーは、OutSystemsパートナーのKiandraに決まりました。プロジェクトの性質を見極めたうえで、Kiandraは自社で採用しているローコードアプリケーション開発プラットフォームであるOutSystemsを推奨しました。
西オーストラリア州フリーマントルを拠点とするMonsonは、2021年9月の新型コロナウイルスによるロックダウン中にこのプロジェクトを開始しました。Kiandraのコンサルタントはメルボルンとブリスベンで勤務していたためリモート対応となりましたが、合同チームはすぐにリモート作業に適応しました。
「唯一の難点は、初期の要件定義ワークショップに時間がかかることでした」と、プロダクトオーナーでありMonsonのCMOを務めるMonique Costantino氏は言います。「しかし、コラボレーション型のプロセスダイアグラム作成用ツールを使用したことで、従来の紙ベースのワークショップよりは大幅に時間を削減できました」
プロジェクトチームには、Kiandraからプロジェクトマネージャー、ビジネスアナリスト、テックリード、開発者が1人ずつと、QA担当者が2人参加しました。Monsonからは、プロダクトオーナーと様々な部門の非常勤のテスター/スーパーユーザーがプロジェクトスタッフとして参加しました。
合同チームは9か月にわたる15回のスプリントでプロジェクトをデリバリーし、2022年6月に「MB2」と呼ばれる新しいシステムをリリースしました。「システムを会計システムと連携させる都合上、カットオーバーがプロジェクトの大きな課題のひとつでした。古いSaaSシステムとMB2を並行運用させることはできません。そのため、MVPとして早期稼働させることはできませんでした」
プロジェクト中に、レガシーソフトウェアのベンダーがレガシーシステムを廃止する意向を表明しました。これにより、システムを内製するというMonsonの決定揺るぎないものとなりました。同時に、同社が安全にレガシーシステムを刷新するまでの期限も明確に設定されました。
Monsonは大きな成果を手にしました。新しいカスタマーポータルや戦略的顧客向けのAPIを実現できたこと、そしてこれまで顧客に船舶や寄港に関する情報を報告するうえで必要だったカスタマーサービスの手間や回避策が不要になったことです。
「お客様はこのカスタマーポータルにログインして、寄港や船舶管理の進行状況に関するリアルタイムデータを確認できます」とCostantino氏は説明します。「寄港ごとに送金などを含めた概算費用も確認できます。リアルタイムの透明性が得られたことで、クライアントはとても喜んでいます。また、これまでお客様に情報を逐次通知するために必要だった多くの反復的な手動手順やメールも不要になりました」
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Learn more about Kiandra ITさらに、API機能を活用することで、戦略的な顧客がリアルタイムデータを自社のERPシステムと連携させ、これまで再入力が必要だったデータ調整とレポート作成を効率化できるようになりました。「お客様ごとに異なるコアシステムに合わせて、こちらでAPIをカスタマイズすることもできます」とMonique氏は言います。
MB2の設計にあたり重要視した要素は自立性でした。
「以前使っていたベンダーに頼むと、どのようなカスタマイズでも数か月はかかりました。そのため、MB2には最初から自立性を組み込むことにしたのです。Kiandraがすばらしいバックオフィスシステムを用意してくれたおかげで、当社の運用チームと管理チームがお客様の求める書類変更や用語変更などのカスタマイズをほぼすべてこなせるようになりました」
MonsonのITマネージャーであるScott Price氏も、これに同調しています。「当社と取引のある何百もの港湾が、毎年関税率を変更しています。古いシステムでは、こうした変更をプログラマーが行っていたため、時間がかかり、エラーが発生しやすく、実装コストも高くついていました。MB2のバックエンドではテーブルに入力するだけですぐに更新を行うことができるため、テストの時間や手間を大幅に削減できました」
Monsonと同社の顧客にとって重要なもう1つの新機能が、複数港湾見積もりツールです。これを使用すると、運用スタッフが大まかな入力条件に基づいて見積もりの代替案を自動的に生成できます。「これで、運用スタッフが個別のシステムで個々の船舶について見積もりを作成する必要がなくなりました」とCostantino氏は説明します。「Excelスプレッドシートに入力し、手作業で文書にまとめる作業を排除できたのです。港湾運用部門のスタッフの作業時間が、推定で1日あたり2時間減りました。全拠点を合計すると、1日あたり140時間の削減になります」
ほかにも以下のようなメリットが報告されています。
Monsonでは、今後もOutSystemsの活用を広げ、温室効果ガス排出量の削減を目的とした新たな規制を顧客が遵守できるようにするためのシステムなどにも適用していく予定です。