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サカタのタネ、OutSystemsを活用してエンドユーザーコンピューティングを一掃

50 本のアプリケーション
2 人の開発者
3 年間
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サカタのタネは、社内で多くのシステム化の要望が上がってくる中、限られた情報システム部のリソースをやりくりしながら対応に苦慮していました。その結果、各事業部門でエンドユーザーコンピューティングが広がり、不安定かつ不確定なデータを用いて業務を遂行する状態に陥りました。

2016年にOutSystemsを導入して以来、開発者2人体制ながら状況を大きく好転させ、月に1本以上のペースでアプリをリリースし、現在では50本を超えるまでになりました。こうして情報システム部は「できる」部署としての評価を獲得し、エンドユーザーコンピューティングを一掃して、ガバナンスを備えた高品質なアプリケーション開発を行えるようになったのです。

  • デジタルコアシステム
  • フィールドサービスの最適化
  • レガシーモダナイゼーション
  • モバイルアプリケーション
  • 業務効率の向上
  • Webアプリ/ポータル
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「ユーザー部門が信頼して相談してくれるようになりました。これにより、エンドユーザーコンピューティングのリスクが大幅に低下しました」

嶺澤健一氏 サカタのタネ 情報システム部
課題

システム化の需要に対応できず
エンドユーザーコンピューティングが蔓延

株式会社サカタのタネは、野菜や花の種苗生産における世界的なリーディング企業です。日本に本社を置き、19か国で事業を展開する同社の種は、世界中で使用されています。

同社の現場からは、カスタムアプリ作成の要望が多く寄せられていました。しかし2人体制で開発を行う情報システム部は、そうした依頼の大半を断らざるをえませんでした。その結果、事業部門ではExcelやAccessなどを使用した「エンドユーザーコンピューティング」が広がっていったのです。

要件が複雑な場合は開発を外注することも多く、ささいな修正や改良などに対応するにもかなりの時間がかかっていました。

情報システム部の嶺澤健一氏は「情報システム部の評価は、負のスパイラルに陥っていました。私たちの対応スピードはユーザーの期待に応えられなかったため、ユーザー部門は相談すらしてくれなくなりました」と振り返ります。

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アプリケーションの互換性やデータエラーの問題が増えてきたのもこの頃です。嶺澤氏は「IT資産の棚卸しをしたところ、まったく知らないシステムが十数個もありました」と話します。

「俊敏性を持ちながら限られたリソースで最大限の結果を生む方法は、ローコードプラットフォームしかないだろう、さらに内製化が必要だろうという結論に至りました」

嶺澤健一氏 サカタのタネ 情報システム部

サカタのタネは、OutSystemsを含め、アプリケーション開発プラットフォームとして3製品を比較検討しました。最終的に、簡単に使いやすい画面を作成できるOutSystemsが選ばれました。

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サカタのタネがOutSystemsを選択した理由:
  • 開発の加速と俊敏性の向上
  • 優れたUX
  • Webとモバイルの両方が開発可能
ソリューション

ボトムアップアプローチで
エンドユーザーコンピューティングを解消

サカタのタネは、OutSystemsのデリバリーおよびトレーニングパートナーである伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)に、開発者2人のトレーニングを依頼しました。サカタのタネの開発者をコーチングするにあたりCTCが使用したのが、OutSystemsが提供している無料の豊富な自習用トレーニング教材と、サンプルアプリでした。これを開発者自身で開発してもらうことで資格を認定するのです。

同社でまず開発したアプリのひとつが、戦略的に重要度の高い営業支援システムでした。今では営業担当全員が、このシステムを顧客マスターデータ管理、見積もり、売り上げ記録などに活用しています。

「多くのユーザーがこのシステムを利用しています。みんなの注目が集まるような、インパクトの大きいところから着手しようと考えました。 このアプリを毎日使う営業担当の声が、情報システム部の評判を広めてくれるだろうという思いがありました」(嶺澤氏)

この作戦は功を奏しました。


「開発には反復的でアジャイルなアプローチを採用しました。すばやく開発して頻繁にリリースを行い、フィードバックを取り入れて継続的に改良を行っています。今ではユーザーと定期的にやりとりし、現場から改善要求や新しいアイデアを取り込めるようになりました」

嶺澤健一氏 サカタのタネ 情報システム部

こうしたボトムアップの開発アプローチにより、情報システム部に対する事業部門の評価は大きく改善しました。嶺澤氏は「フィードバックがいいループを生んでいます。ユーザーと直接やりとりすることが増えると、ニーズも把握できるようになります。短期間で成果をあげることで信頼が生まれ、依頼も増えていきます」と話します。

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Partner

ITOCHU Techno-Solutions Corporation (partner)

ITOCHU Techno-Solutions Corp (CTC), a subsidiary of ITOCHU Corporation, provides and maintains computer network systems, information processing services, commissioned software development and...

Learn more about ITOCHU Techno-Solutions Corporation (partner)
成果

迅速な対応で信頼を勝ち取った情報システム部

2016年にOutSystemsを導入して以来、サカタのタネの2人の開発者を取り巻く状況は大きく様変わりしました。1か月に1本のペースでアプリケーションをリリースし、これまでに50本以上を開発しています。この開発ペースにより、事業部門からの評価も持ち直しました。

「OutSystemsを使用するようになってから状況は一変しました。ユーザー部門が信頼して相談してくれるようになったのです。これまでは、情報システム部に頼んでも忙しいか時間がかかりすぎるかで何の解決も得られないと思われていました。ところが今は『頼めばやってもらえる』と思われるようになったのです。これにより、エンドユーザーコンピューティングのリスクが大幅に低下しました」(嶺澤氏)


「全社表彰などによる評価ももちろんですが、社内のユーザー部門から感謝の手紙をもらえる情報システム部門になったことは喜ばしいことです」

嶺澤健一氏 サカタのタネ 情報システム部

サカタのタネが開発を高速化できた理由のひとつが、アプリケーション間でのコードの再利用です。「効果的な例として挙げられるのは、弊社研究所で利用している出退勤表示システムです。 20年以上前に導入した出退勤表示設備で、システム改修の費用は数百万円もの概算見積となりました。そこでOutSystemsで開発したところ、来訪者管理や会議室予約、社内の写真共有システムといった他のシステムの構築時にモジュールを再利用することができました」 (嶺澤氏)

モバイルアプリの開発も増えてきています。「現在開発中なのが、在庫レベルを確認するためのモバイルアプリです。ドキュメントや画像などの非構造化データをNoSQLデータベースから取得するためのナレッジマネジメントソリューションなど、他の革新的なプロジェクトも進行中です。サカタのタネでは、フロントエンドをOutSystemsで構築しています」(嶺澤氏)

将来的には、数百あるアプリケーションをすべてOutSystemsと連携させ、各部門間で重複しているものを排除していく予定です。さらに、同社はOutSystemsを中心に据えてクラウド移行も進めています。

ほとんどコードを書く必要がないという点が、OutSystemsのメリットのひとつだと嶺澤氏は話します。「OutSystemsを選んだ決め手のひとつが、独自のコードで開発を拡張できるという点でした。しかし実際にはそれすらもほぼ必要ありません。OutSystemsのビジュアル言語UIフレームワークといったOutSystemsの標準機能だけで多くのことを実現できるからです」。

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OutSystemsを導入したこの3年の社内での変化について、嶺澤氏は次のように話します。「エンドユーザーコンピューティングを排除し、データの一元管理が可能になりました。これにより、部署ごとに認識している数字のズレをなくせたことが社内での大きな変化と言えます。正確なデータを見ること、間違いのないデータを書き込めるようになったことは、とても価値のある変化だと考えています」。

情報システム部が身に付けた俊敏性についてコメントする中で、嶺澤氏は先進的な開発プラットフォームの導入を検討している企業に向けて次のようなアドバイスをしています。

「ローコードの導入に悩むのであれば、まずは実際に手を動かしてみるべきでしょう。今後の運用のために設計書が必要だという声もありますが、不確実性が増している情勢や加速する変化のスピードに対応するには、瞬く間に古くなるシステムの設計書を更新するための人材が別途必要になります。限られたリソースやコストを有効に使うためにも、フットワークの軽い人材を任命して、ローコードを使ってどんどんシステムを作るほうが良い結果をもたらすでしょう」

嶺澤健一氏 サカタのタネ 情報システム部