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DXを視野に入れたシステム内製化の基盤として ローコード環境の「OutSystems」を採用 「経営に貢献するシステム」の開発体制を整備

3 回以上のリリースを毎月実現可能
400 以上のWebシステムを今後OutSystemsに移動へ
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小林製薬株式会社(以下、小林製薬)では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を視野に入れた内製によるシステム開発体制の構築に取り組み、その開発基盤として「OutSystems」を採用した。コーディングによる開発経験がなくても、業務に対する知識をベースに、安全かつ容易に業務アプリケーションが作れる点を高く評価している。今後は、社内にOutSystemsの開発が行える担当者を増やしつつ、現状の営業・マーケティング部門から全社へと、適用範囲を拡大していく計画だ。

  • レガシーモダナイゼーション
  • 業務効率の向上
  • Webアプリ/ポータル
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「OutSystemsの出力を見た現場の担当者から、『こういう切り口でデータを見たい』『画面のこの部分に、こういう情報があると便利だ』といった意見が、次々と出てくるようになった。それに応える形で、配信される情報を増やし、見せ方も洗練させてきた」

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八尾太介氏 小林製薬、グループ統括本社 業務改革センター 販売システム
営業・マーケシステムグループ
課題

協力会社との契約終了を機に
より迅速なリリースが可能な
システム開発の内製化を決断

1886年に創業し、消費者にとって身近なOTC医薬品や衛生雑貨のメーカーとして知られる小林製薬。同社では、DXの実現に向けたデジタル改革に取り組んでいる。既に過去数年にわたって、RPA(Robotic Process Automation)やAIといった最新の技術を、業務現場へ積極的に導入し、業務のデジタル化、プロセス効率化の可能性を探ってきた。

そして現在、その取り組みをさらに発展させようとしている。経営資産として蓄積されたデータと、業務の効率化で生みだされたリソースを、より経営に資する活動へとつなげる「攻めのIT」の実現。その基盤として、小林製薬が選択したのは「OutSystems」だった。

小林製薬、グループ統括本社 業務改革センター 販売システム 営業・マーケシステムグループの八尾太介氏は「これまでは、協力会社のエンジニアに常駐してもらい、システムの開発や改善をお願いしていた。その契約が終了するタイミングで、システム内製化の方針を定めた。起案からリリースまでに、数カ月から半年がかかっていた従来の開発スパンを改め、より迅速にアプリケーションを作り、今まで以上にシステムが経営に貢献できる体制を作らねばならないと考えた」と話す。

「過去に開発経験がほとんどない人であっても、ビジュアルな環境でアプリケーションが作れ、成果物の属人性も低くなるという点が、ローコード開発ツールのメリットだと考えた」

八尾太介氏 小林製薬、グループ統括本社 業務改革センター 販売システム
営業・マーケシステムグループ

内製開発の体制を整えていくにあたり、同社では複数の方法を検討した。従来は「.NET Framework」による開発を標準としていたが、これから社内でその技術者を育成していくのは難易度が高く、時間やコストもかかる。そこで、ローコード開発環境の導入を視野に入れた。

市場にさまざまなローコードツールがある中で、OutSystemsを選択した理由について、製品選定に関わった橋本義宏氏は「他のツールは、細かいカスタマイズをしたい場合に、結局、難易度の高いコーディングが必要になったり、アプリケーション開発部分のみにフォーカスしていて、リリースや運用といったプロセスまでが考慮されていなかったりするものが多かった。OutSystemsは、そうした点が他よりも優れていると評価した」と話す。

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OutSystemsを選択した理由:
  • 専門開発者の生産性向上
  • 継続的デリバリーの現実
  • 制限のないフルスタックのビジュアル開発
ソリューション

販売データから「気付き」を得る
営業・店舗担当者向けアプリを
導入から半年で社内開発

OutSystemsによる開発体制を作っていくにあたり、同社は2020年4月から3カ月間、協力会社による導入支援を受けた。社内に、早川太貴氏をリーダーとする小規模なOutSystemsの開発チームを結成し、OutSystemsの概要、開発プロセス、運用方法を学び、それを社内に共有していった。

導入支援の終盤から、実際に利用するアプリケーションの開発にも着手した。これは、同社の営業担当者、店舗担当者が、日常的に利用するもので、膨大な販売データの集計、分析から、市場の動向についての「気付き」を得るための仕組みである。

「このシステムでは、自社製品の販売状況を“見える化”することに加え、特に好調なところがあれば、その“理由”についても探れるようにしている。もし、好調の理由が特別な施策や販促活動であれば、それを他でも展開できるかどうかを検討するための仕組みだ」(八尾氏)

従来、この仕組みは、RPAツールと表計算ソフトの組み合わせで実現していた。しかし、RPAツールで自動化した作業が正しく行われたかを常に確認する必要があるなど、人手による作業が多く残されており、完全なシステム化には至っていなかった。同社での最初のアプリケーションは、この仕組みをOutSystems上に移行したものだった。

データをどのように取得、集計し、その結果からどのようなプロセスが動くのかといった要件が整理されていたこともあり、OutSystemsでの開発作業は「ほとんど悩むことなくできた」(八尾氏)という。OutSystemsによる新システムでは、従来、人手を交えつつ数時間から1日かけていた作業が、1時間程度にまで大幅に短縮された。「RPAの作業結果にエラーがないかを気にする必要がなくなったことで、作業担当者の心理的なストレスも軽減された」という。

合わせて、データの集計期間も、従来は週単位、月単位だったものが「日次」ベースにまで短縮され、より粒度の細かいタイムリーな結果を参照できるようになった。

「新規に開発するシステムは、OutSystemsで作ることを原則としつつ、既に稼働している約400のWebシステムについても、優先度を考えながら、順次OutSystemsに移行することを視野に入れている。われわれが標準で利用するシステム基盤として、OutSystemsを定着させていきたい」

橋本義宏氏 小林製薬、グループ統括本社 業務改革センター 販売システム
営業・マーケシステムグループ

OutSystemsによる新システムは、2020年12月にリリースされた。リリース時点では、旧システムと同じ情報をアウトプットするものだったが、運用開始後、システムを利用する現場スタッフからの要望やアイデアが、次々と出てくるようになったという。

「OutSystemsの出力を見た現場の担当者から、『こういう切り口でデータを見たい』『画面のこの部分に、こういう情報があると便利だ』といった意見が、次々と出てくるようになった。それに応える形で、配信される情報を増やし、見せ方も洗練させてきた」(八尾氏)

このシステムは、毎年春と秋の新製品発売時期に、特に利用頻度が上がる。営業・マーケシステムグループでは、月に1回、多い時には3回以上のリリースを繰り返しながら、現在も改善を続けているという。

「ユーザーにも、改修やリリースが迅速な点を高く評価してもらえている。まだ手探りの部分もあるが、内製による“アジャイル”な開発体制を確立していくための、足がかりができたと思っている。」(早川氏)

今回、OutSystemsで刷新されたこの仕組みは、データ分析に基づいて現場レベルでの意思決定を支援するものと言える。ビジネスに、より直接的に貢献する「攻めのIT活用」の事例として、社内的にも注目度が高いプロジェクトになっているという。

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「ユーザーにも、改修やリリースが迅速な点を高く評価してもらえている。まだ手探りの部分もあるが、内製による“アジャイル”な開発体制を確立していくための、足がかりができたと思っている。」

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早川太貴氏 小林製薬、グループ統 括本社 業務改革センター 販売システム
営業・マーケシステムグループ
成果

開発体制を整えながら
順次適用範囲を拡大
全社的なシステム基盤へ

現在、小林製薬では、主に営業・マーケシステムグループが関わるものを中心に、OutSystemsで作られた複数のアプリケーションが稼働している。内容としては、デジタルマップ上に営業担当者が担当店舗をプロットして共有する現場向けの業務支援ツール、ITサポート関連のチケットシステム、システム担当者が利用する申請フォームなど多岐にわたっている。

「DXを視野に入れたデジタル化を進めるにあたって、そのためのシステムは、業務に明るいユーザーに近い立場で作っていくことが重要。内製化を目指す大きな理由もそこにある。OutSystemsは、コーディングが得意でない人でも、ミスを気にせずに安心して使いながら、業務に役立つアプリケーションを構築・運用できる基盤として高く評価している」(八尾氏)

同社では今後、営業・マーケティングといった部門単位から、全社規模へと、段階的にOutSystemsの適用範囲を拡大していきたいと考えている。それに対応できるよう、内製での開発体制拡充にも注力しており、2021年度中には、OutSystemsの開発ができる担当者を社内で30人程度まで増やすことを目標としている。

デジタル技術の活用を通じて、市場に新たな価値を生みだす「DX」。その実現を目指して、アジャイルな開発プロセスを取り入れながら、ビジネスの差別化領域に関わるシステムの内製化を進めることは、ひとつのトレンドになっている。その基盤として、OutSystemsを本格的に活用し始めた小林製薬の動向には、同様にDXを標ぼうする多くの企業が注目すべきだろう。

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