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OutSystemsで開発内製化の体制を強化
ソフトウェア開発の生産性を大きく高めて最新技術から最大限の価値創出を目指す

20% 価値提供までのトータルリードタイムの削減
2-3倍 実装工程の開発生産性向上
開発力の強化 開発内製化体制へ
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大和ハウス工業株式会社(以下、大和ハウス工業)では、ソフトウェアの内製開発における標準プラットフォームに、ローコード開発環境の「OutSystems」を採用した。同社では開発力強化を目的に内製化の取り組みを進めていたが、特にモバイルファーストでのアプリ開発や、IoTやAIといった最新技術の導入といった点で課題を感じていたという。OutSystemsの採用で、最新のデバイスや技術に対応したアプリケーションの迅速な開発が可能になった。今後、開発体制の強化やプロセスの標準化などを通じ、さらなる生産性の向上、運用の効率化を図り「デジタルから価値を生みだす」ための内製化を強化していく。

  • レガシーモダナイゼーション
  • モバイルアプリケーション
  • 業務効率の向上
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「標準プラットフォーム化を視野に入れるにあたっては、OutSystemsが、ローコード開発ツールの専業ベンダーとして、グローバルで高く評価されている点もポイントになりましたね。長期にわたり、継続してツールの改善やサポートが行われるだろうと期待しました」

中野 研 氏 大和ハウス工業株式会社
情報システム部 内製開発グループ グループ長
課題

外注の恒常化で浮上した課題
組織の「開発力」強化を目指し
開発内製化の体制を再構築

世界的なデジタル化の潮流は、社会のあらゆる領域で変化を加速させている。1955年創業の総合ハウスメーカーである大和ハウス工業では、建設業界におけるデジタル化の促進を通じ、新たな価値の創出と、現場業務の生産性、安全性を高めることを目指した「デジタルコンストラクションプロジェクト」を推進している。

同プロジェクトでは、建設物の企画から設計・製造・施工、維持管理におけるデータを一元的に管理し、建設プロセスにおける生産性の向上と、施主に提供する建物資産価値の向上を目指している。同時に、AIやIoT、ロボットといった最新技術を活用して、危険予知、作業員の体調管理などを行うことで、建設現場における「働き方改革」を実現していこうとしている。

これらの取り組みを推進する上で重要性が増しているのが、ソフトウェア開発体制の組織的な強化だ。大和ハウス工業では、情報システム部内に「内製開発グループ」を組織し、技術人材の育成と、ソフトウェア開発の生産性、および柔軟性や迅速性の向上に取り組んできた。

「当社では10年ほど前から、システム開発の生産性を高めるためのプロジェクトマネジメント改革に取り組んできました。自社開発から、開発を外注してマネジメントに注力する体制に移行したことで、たしかに生産性は高まりました。しかし、近年のデジタル化の加速によって、新たな課題も出てきました。分業や専門化が極端に進み、新たな技術をスピーディーに業務へ取り入れるためのノウハウやスキルが、社内に蓄積されにくい状況が生じていました」

「内製開発グループの目標は、ビジネス価値を迅速にユーザーに届けるDevOpsを実現するため、開発業務の標準化、自動化を推進すること。同時に、技術人材の育成やマルチスキル化に取り組み、システム開発、運用のスピード、柔軟性、安定性を高めることです」

中野 研 氏 大和ハウス工業株式会社
情報システム部 内製開発グループ グループ長

そう話すのは、大和ハウス工業、情報システム部で内製開発グループのグループ長を務める中野研氏だ。そうした課題は、特にモバイルファーストによるアプリ開発のような領域で顕著になっていたという。新しいデバイスや技術を活用したチャレンジをしたいと思っても、そのためのノウハウが社内にないことに、危機感を覚えていたという。

同社では、2018年に新たに内製化組織を設置し、OSSなどを活用したフロントエンド開発技術や、要求仕様の変化に強い開発手法である「アジャイル」の採用などについて、社内での実践や教育を続けてきた。中野氏の率いる内製開発グループは、その成果をさらに発展させるために、2020年に設立された組織だ。

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OutSystemsを選択した理由
  • モバイルアプリケーション開発
  • 開発の加速と俊敏性の向上
  • 専門開発者の生産性向上
ソリューション

最新技術を容易に取り入れながら
生産性の高い開発環境を実現できる
「OutSystems」を標準基盤に採用

現在、同社では、事業部門からシステム開発の要望が出た際には、まずSaaSによる課題解決が可能かを検討し、それが難しい場合には次のステップとして、OutSystemsでの開発を検討するルールが決められている。OutSystemsでの開発を行う場合には、起案部門のプロジェクトに、CoEのメンバーが、必要に応じて参画し、アーキテクチャの統制やコードレビュー、技術支援を行う体制をとっている。
OutSystemsは、同社の開発における標準プラットフォームとして採用された。

「内製化のための体制づくりを続ける中で、コーディングまでを自分たちで手がけていると、現場で成果が出せるようになるまでに、かなりの時間が掛かりそうだというのが懸案になっていました。その中で、ITパートナーである伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)から、われわれの課題を解決できる環境としてOutSystemsを紹介されました」(中野氏)

OutSystemsの採用を決めたポイントとして、中野氏は「モバイル対応の迅速性」および「圧倒的な開発生産性」を挙げた。

「ちょっとしたシステム改修などには、内製で素早く行える体制が既にできていたのですが、アプリケーションのスマートデバイス対応、IoTやAIの業務活用という点では、対応が難しかったというのが現実でした。OutSystemsには、そうした最新のテクノロジーをアプリケーションに組み込むための仕組みが標準で用意されています。そうした部分については、OutSystemsに任せてしまうことで、内製開発の敷居を大きく下げられると感じました」(中野氏)

また、OutSystemsを内製化のための標準的な基盤とすることで、開発者のスキルや開発プロセスの標準化を図り、将来的な改善を含む運用負荷を削減できる点にも注目したという。

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「実際にOutSystemsを利用して感じたのは、ビジュアルプログラミングの環境が非常に洗練されているということでした。画面作成のスピード感が高く、ロジック部分の可読性にも優れているため、アジャイル的な開発プロセスとの親和性は高いと感じました。また、初期開発時だけでなく、継続的な改善や運用時においてもメリットが出せるだろうと思っています。当初はローコード環境ならではの開発プロセスや実装ルールなどに慣れる必要がありましたが、一般的なコーディングによる開発と比較した場合の生産性の高さは明らかで、リリース後の運用負荷も低いと感じます。今後、OutSystemsで開発したアプリケーションが増えるに従い、運用面での恩恵も大きくなっていくでしょう」

中野 研 氏 大和ハウス工業株式会社
情報システム部 内製開発グループ グループ長
結果

アジャイル開発の手法を用いて
モバイルの「工事写真アプリ」を構築
約6カ月の短期間で全国の現場へ展開

内製開発グループでは、OutSystems導入のメリットを最大限に活かすため、技術やプロセスの標準化を進めつつ、2019年9月に最初のアプリケーション開発に着手した。これは「工事写真アプリ」と呼ばれるもので、担当者がスマートデバイスを使って工事現場などで撮影した写真を、インターネット回線を通じて共有サーバー内に保存し、ルールに従って管理できるようにするためのアプリケーションだ。

開発には、CTCと現場の担当者を交えながら、短い期間でリリースと改善を繰り返すアジャイルの手法を採用した。初期リリースは同年11月下旬に行われ、ユーザーのフィードバックをもとにその後8回の改善リリースを行った上で、2020年春に全社展開された。同社にとって懸案のひとつだったモバイルアプリの開発が、約半年の短期間で実現したことになる。

「これまで、現場の品質管理や進捗判断のために撮影する写真の管理は、各現場でそれぞれに行われている状況でした。このアプリを使うことで、よりガバナンスの利いた状態で写真データを管理できるようにしたいというねらいがありました。写真管理のルール化については、現場にもさまざまな意見があるのですが、そうしたフィードバックを参考にしながら、会社としてのデータガバナンスと、現場の利便性を両立できるような仕組みにできたと思います。」(中野氏)

この「工事写真アプリ」を皮切りに、同社ではこれまでの約2年間に「スケジュール管理」「従業員検索」「現場調査」「鍵受領管理」などの9つのモバイルアプリ、「通達システム」「施工中物件検索システム」「取引先ポータル」といった13のWebアプリを、OutSystemsによって開発し、次々と業務の現場へ展開してきた。

統制された環境で開発リソースを拡充
基盤のポテンシャルをフルに引き出し
開発生産性と創出価値を最大化する

内製開発グループでは「開発生産性向上の意義は、ユーザーに価値が届いたときにはじめて生まれる」という考え方に基づいて「リリース間隔を2週間とする」ことをKPIのひとつに掲げている。主に改修案件について、その目標はおおむね達成されているという。同社では今後、内製開発グループ内にOutSystemsのスキルを持ったエンジニアを増やしていくと同時に、OutSystemsが扱えるITパートナーについても拡充し、開発リソースを強化することを視野に入れている。

グループとして幅広い事業を展開している大和ハウス工業では、本社の情報システム部門が手がける開発案件の数も非常に多い。OutSystemsによって、開発生産性の向上には光明が見えたものの、これから着手すべき案件や課題は、数多く残されている。さらに生産性と品質を高めながら、ユーザーにより高い価値を届け続けるための体制づくりは新たな課題だ。

「OutSystemsによって、組織としての開発プロセスやアーキテクチャのガバナンス確保は、これまで以上にやりやすくなったと思います。今後、汎用部品の作り込みや再利用などによって、生産性はさらに高められるでしょう。現在、価値提供までのトータルリードタイムは20%短縮、実装工程だけなら2〜3倍の開発生産性向上を実現しています。これについては、バックエンドのレガシーシステムとの連携部分がボトルネックになっている可能性もあり、その部分については、パートナーのCTCとも相談しながら、改善の方法を探っていきたいと思います」

中野 研 氏 大和ハウス工業株式会社
情報システム部 内製開発グループ グループ長

最新のデジタル技術を迅速にビジネスへ取り入れ、継続的に価値を生みだしていくために、組織の「開発力」の向上が、今後ますます重要になる。大和ハウス工業の内製開発グループでは、その基盤として導入したOutSystemsのポテンシャルを、今後の取り組みを通じてフルに引き出したい意向だ。

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【企業情報】

大和ハウス工業株式会社
本社:大阪府大阪市北区梅田3丁目3番5号
設立:1955年4月
資本金:1,616億9,920万1,496円
従業員数:16,712人(2021年4月1日現在)

【企業プロフィール】

1955年の創業以来、日本人の住環境づくりに尽力してきた住宅総合メーカー。建築の工業化にいち早く着手し、鋼管構造建築やプレハブ住宅など、革新的な建築技術を数多く取り入れてきた。現在では、コア事業の戸建住宅をはじめとして、賃貸住宅、分譲マンション、事業施設、環境エネルギーなど幅広い事業領域を手がける。グローバルな事業グループとして、国内174社、海外270社の企業を傘下に持つ(2021年3月31日現在)。

URL: https://www.daiwahouse.co.jp/