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デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた企業の支援サービスを提供するエル・ティー・エスは、案件数や規模の急速な拡大に伴って負荷が高まっていた、プロジェクトごとの「手続管理」プロセスを、OutSystemsによってシステム化した。開発は、スクラムの手法に基づいて内製で行われ、開発開始から約3カ月半という短期間で、初期リリースを実現した。現在も、改善や追加開発が継続されている。同社では、今後見込まれるさまざまな業務に関わるシステム化ニーズへの対応にも、OutSystemsを積極的に活用していくことを検討している。
「OutSystemsの活用で、われわれのニーズに合ったシステムを、タイムリーにリリースするという当初の目的は十分に達成されました。今回のプロジェクトで得られたノウハウは、今後見込まれる社内での新しいシステム化要求への対応だけでなく、BPMと、それを支えるITソリューションの価値を提供する企業として、お客様への提案にも生かせるものだと考えています」
2002年設立のエル・ティー・エス(以下、LTS)は、DXを目指す企業の変革を支援するコンサルティングビジネスを展開している。近年の企業におけるデジタル活用への関心の高まりを受け、同社のビジネスも急速な拡大を見せている。
「この10年で、売上規模も、社員数も10倍以上に拡大しています」と話すのは、LTSの執行役員である山本政樹氏だ。ビジネスと企業規模の急成長に伴い、同社では課題も持ち上がっていた。そのひとつは、個々のプロジェクトに関連した社内手続の煩雑化だ。
LTSでは、サービスを提供する顧客企業との間で、プロジェクト単位での契約を行う。あるプロジェクトがスタートすると、それに合わせて、社内でプロジェクト遂行のためのさまざまな「手続」が発生する。この手続には、作業に必要なIT環境の準備、情報セキュリティに関わるチェック項目の確認、お客様からの貸与品の管理、案件ごとのナレッジ管理、顧客満足度調査といった、さまざまな要素が含まれる。同社では創業以来、こうした社内手続に関わる申請や対応の仕組みを、Excel のファイルベースで運用していたという。
「販売管理や会計といった基幹業務については、2016年にパッケージを導入してシステム化を行っていました。一方で、社内手続に関わるプロセスについては、引き続きExcelでの運用を続けていました。しかし、案件数や規模の増加に伴い、そのやり方にも限界が来ていました。申請や処理の作業が煩雑化し、その結果として必要な手続が正しく行われないことで、機密情報の管理が適切に行えなくなるリスクも高まっていました」(山本氏)
「業務要求に弊社独自のものが多く、この先、手続そのものも頻繁に変化していくことを考えると、既存のパッケージや外注での開発ではなく、変化に応じて迅速に開発や保守が行えるプラットフォームを導入し、自社で内製するのがベストだと考えました」
同社では、Excelによる手続管理から脱却し、その運用プロセスを、基幹システム上の契約情報と結びつけて体系化するためのシステム化を検討する。ただ、手続管理のプロセスは、比較的短い期間で頻繁に内容が変わる。加えて、顧客との「契約」と、手続が発生する「プロジェクト」とは、必ずしも1対1で対応するとは限らない。こうした、同社ならではの業務要求に、柔軟に対応できる仕組みが必要だった。
手続管理システムを構築するプラットフォームとして、OutSystemsを活用することは、「今回のプロジェクト以前から念頭にあった」と山本氏は言う。
「BPMや関連したITソリューションを提案する事業を行っていることもあり、ローコード/ノーコード開発環境についても、長期にわたり市場動向を見てきました。OutSystemsについては、以前からツールの機能や設計思想を把握しており、実際にお客様のBPM活動の基盤に採用されているケースを見る機会などもありました。そうした中で、いずれLTSで内製する機会があれば、OutSystemsを使うべきだろうと感じていました」(山本氏)
同社では、OutSystemsとスクラムによる開発手法の組み合わせで、手続管理システムを内製することを決定。パートナーのBlueMemeによる約1カ月のブートキャンプを受講後、2021年8月中旬より、本格的な開発プロジェクトがスタートした。プロジェクトメンバーは、山本氏を含むプロダクトオーナー2人、スクラムマスター1人、子会社のソフテックに所属する開発担当者2 人の、計5 人体制だ。BlueMeme は、開発開始後も継続して技術支援を行っている。
このプロジェクトには、初回リリースまでの明確な期限が設定されていた。2021年12月に、手続管理とも連携が必要な、案件データ管理用の共有ファイルサーバをクラウドサービスへ移行する計画があり、そのタイミングに合わせてリリースする必要があったためだ。つまり、約4カ月の短期間で初回リリースにこぎ着ける必要があった。
OutSystemsでの開発作業は、スクラムの方法論にのっとって進められた。2人の開発担当者は、1人がコーディングやウォーターフォール手法での開発経験があるエンジニア、もう1人は開発経験が前者よりも少ない担当者という組み合わせだったという。
「開発担当者は、OutSystemsとスクラムの組み合わせによる生産性の高い開発プロセスや成果物の品質を、とても高く評価していました」
このプロジェクトでスクラムマスターを務めた、LTSビジネスコンサルティング第1部の坂口沙織氏によれば、「過去に開発経験のあるメンバーは“トラディショナルな環境と開発手法で同じことをやろうとすると、2倍くらいの時間が必要だったのではないか”と印象を話していました。もう1人の担当者も“先輩エンジニアが作ったビジネスロジックが、ビジュアルに表現されることで非常に理解しやすく、ミスも起こりにくいと感じた”と、OutSystemsのビジュアル環境が開発効率や品質の向上に寄与していることを評価していました」という。
作業は順調に進み、開発開始から約3カ月半で初回リリースが行われた。プロダクトオーナーの山本氏も、今回のプロジェクトでOutSystemsとスクラム開発との相性の良さを実感したという。
「手続管理自体が、比較的シンプルなプロセスを多数組み合わせたものという特性を持っており、それがアジャイルな開発手法と相性が良いこともあったと思います。加えて、OutSystems による開発は、特にUI 部分のちょっとした変更などがとても簡単にできるため、トライ&エラーも容易で、プロダクトチーム全体の手間と、ストレスが極めて少ない状態で開発を進められると感じました」
この手続管理システムは、本稼働の開始後も、初回リリースのスコープから外れた部分の機能追加に加え、ユーザーからのフィードバック、手続プロセスの追加変更などに合わせた機能追加、改善が継続して行われている。山本氏は、今回のプロジェクトについて「契約情報にひもづく、体系的な手続管理のシステムをタイムリーにリリースするという当初の目的は十分に達成された」と評価している。
加えて、今回のプロジェクトを皮切りに、今後も社内における業務プロセスの標準化や効率化を念頭に置いたシステム構築にあたり、積極的にOutSystemsを活用した内製を検討しているという。
「システム内製に効果的なプラットフォームを社内に持ったことで、これまで“こういうことができたらいいな”と思いつきの段階で止まっていた、さまざまなシステム化のアイデアを、実現するまでのハードルが大きく下がったと感じています」
事業拡大に伴う新たな業務や作業のシステム化ニーズや、改正電子帳簿保存法のような法制対応に向けた業務ルールの標準化などにも、OutSystemsが活用できるかどうかを検討していきたいという。
また、山本氏は、今回OutSystemsとスクラムの組み合わせで内製を実施した経験と、蓄積されたノウハウは、同社が顧客に向けて提供するソリューションにも生かされるのではないかと話す。
「今回のプロジェクトの中で、ある目的を持って、他システムともデータ連携ができるようなシステムを迅速に開発したい場合に、OutSystemsのような柔軟性の高いプラットフォームとアジャイルな手法を活用することの効果と価値を、改めて認識しました。BPMと、それを支えるITソリューションの価値をお客様に提供する会社として、その体系的なノウハウは、今後の提案にも生かしていけるのではないかと考えています」(山本氏)
登録商標について
Microsoft Excel、またはその他のマイクロソフト製品の名称および製品名は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
【企業情報】
株式会社エル・ティー・エス
所在地:東京都港区元赤坂1-3-13 赤坂センタービルディング14F
設立:2002年3月
資本金:5億7,515万600円 (2022年6月30日時点)
従業員数:約500名(グループ全体)
【企業プロフィール】
「お客様の成長に貢献する」を企業理念に掲げ、DXを視野に入れた企業戦略の構想、立案、実行に寄り添う「コンサルティング」、環境変化に柔軟に対応できる組織作りを、ビジネスプロセスの可視化、改善、人材育成を通じて支援する「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)」、データ分析やIoT、AI、RPAなど、最新のテクノロジーをビジネスに生かすための「デジタル活用サービス」を主力事業として展開。幅広い業種・業界の企業、官公庁・地方公共団体を含む組織にサービスを提供する。
URL: https://lt-s.jp/