原点となったビジョン

目次

  1. 現在のビジョン

OutSystemsは、ソフトウェア開発を根底から覆すというビジョンのもと、2001年に設立されました。OutSystemsを創始したのは、ソフトウェアプロジェクトの大半は失敗に終わるということを実感していた熟練のITプロフェッショナルでした。プロジェクトは納期に間に合わないか、そうでなければ予算オーバーになっていました。

当時、ほとんどの企業ではウォーターフォール型の開発を行っていました。現在でもウォーターフォール型のプロジェクトはありますが、分析や設計を行う初期段階ではあまりコストがかからないという特徴があります。その一方で、後の段階になって変更が増えるにつれてコストがかさみます。そのため、最初から適切な開発を行うべく、アプリケーションに必要なあらゆる事項の計画に膨大な時間が費やされるのです。

問題は、アプリケーションの要件をすべて把握したり、あらゆる不測の事態に備えたりすることが現実的ではないということです。そのため、最初から適切な開発を行うことは難しく、ソフトウェアの変更が必要になります。アプリケーションの変更を重ねるほど、複雑さは増していきます。複雑さによって経費がかさみ、ライフサイクルの後半で行う管理や更新がさらに難しくなります。最終的には、アプリケーションを更新するよりもリプレースしたほうが時間もコストもかからないという段階にまで達してしまうのです。

OutSystemsのビジョンは、「最初からソフトウェアを完璧にしようとするのではなく、変更が低コストで迅速に、アプリケーションのサイズに関係なく行えたらどうだろうか」という問いから生まれました。そして変更の内容を分析したうえで、ライフサイクルのどの段階でも迅速に、安定して、安価に変更を行えるOutSystemsプラットフォームを作り上げたのです。

現在のビジョン


OutSystemsの初期のユーザーは先見の明があり、当社のビジョンに共感していただきました。しかし現在、状況は大きく変わりました。IT組織は2つの大きな課題に直面しています。そのため、迅速でコストがかからず、安定した変更の実現がこれまでになく重要になってきています。

  1. デジタルトランスフォーメーション:人と組織の関わり方は、今やモバイルアプリケーションでのやりとりが主流になってきています。つまり、既存のシステムやバックエンドに加え、モバイル版やフロントエンドを提供し、かつスムーズに連携させる必要があるのです。また、既存のものとビジネスで求められるもののギャップを埋めるうえで、さらに何が必要となるかを見極めなくてはいけません。
  2. デリバリーと変更サイクルの短縮:モバイルの普及により、デリバリーサイクルが大幅に短縮しました。ビジネスにおいては、16~20週間でアプリケーションを開発し、数時間で変更を行うことが求められます。これは、Javaや.NETでのアプリケーション開発で従来必要とされていた20か月と比べると、はるかに短い期間です。

では、こうした課題にどのように対応すればよいでしょうか。また、業界はどのように対処しているのでしょうか。このガイドの次のセクションでは、課題の詳細、業界での課題の対処方法、そして現在のソフトウェア開発の課題を克服するためにOutSystemsプラットフォームがどのように貢献できるかを見ていきます。