

Inchcape Halves Port Call Cost Estimation Time with a New Digital Process and Portal
See how Inchcape escaped a legacy system and cut port call cost estimation by half with a new digital process and portal delivered with OutSystems in 13-weeks.
Inchcape Shipping Servicesは、世界各地の2,500か所の港で寄港を円滑に行うべく、現地専門船主、用船主、管理者の手配を日々行っています。
毎年90,000件にのぼる寄港を効率化することで、顧客の貿易の成功と世界中の各港での適切な意思決定を支援しています。
InchcapeはOutSystemsを使用して、信頼性が高く使いやすいデジタルエクスペリエンスを顧客に提供しています。これは、透明性と信頼性の高さが差別化要因となる非常に分断化された市場における同社の成長戦略の要となっています。
「ほぼ視覚的な操作だけで大きな成果を出せることがわかり、OutSystemsによって開発が大幅に高速化するだろうとの期待が高まりました」
国際貿易と切っても切り離せない関係にあるのが港です。Inchcape Shipping Servicesは1847年から、寄港に関する現地知識と手段を提供することにより、企業の円滑な輸送と貿易の成功をサポートしています。
Inchcapeは68か国240か所以上に自社オフィスのグローバルネットワークを持ち、2,900人以上の専属専門家で構成されるチームを抱え、世界各地のインフラと現地の専門知識とを結び付けています。独自の地域拠点を構えることで、世界中あらゆる地域の顧客に一貫して優れた品質と透明性を誇る幅広いサービスを確実に提供することが可能です。
Inchcapeの顧客基盤は世界中に広がっており、石油、クルージング、コンテナ、ばら積み貨物といった各部門の船主や用船主のほか、海軍、政府機関、政府間組織など多岐にわたります。
現地の規制や環境基準が異なる場合、船舶事業者のリスクや手間は大幅に増大します。「現地の法律、入港要件、税、ベンダーとのやり取り、料金は、港ごとに少しずつ取り扱いが異なります」とInchcape Shipping Servicesのグループ情報最高責任者であるAndy Ashwell氏は言います。「これが理由で非常に煩雑になることがあります。そこで、お客様がどこに寄港する場合でも標準化されたエクスペリエンスを得られるようにしたいと考えました」。
「どこに寄港する場合でも、お客様が必要とする情報に明快かつタイムリーにアクセスできるようにすることで、この業界のモダナイゼーションに欠かせない信頼を築くことができます。OutSystemsのおかげで、想定の約3倍のスピードでデジタル戦略を実現できました」
さらに、この何世紀も続く業界は現地の知識に依るところがあまりに大きく、船舶事業者が乗組員の交代などにおいて金額に見合う価値や水準のサービスを得られているのかどうかを把握することも困難でした。
Inchcapeはここに、顧客に高い信頼性を提供する機会を見いだしました。同社は最大手のグローバル船舶代理企業として、最高水準の倫理と透明性を顧客に提供したいと考えたのです。
この目標が、Inchcapeの過去3年間のデジタルトランスフォーメーション戦略の支えになりました。Inchscopeは、世界的に統一された新しいITアーキテクチャで多くの情報システムを統合しました。これにはInchcapeが法人顧客に初めて提供されたデジタル製品であり、この分野で市場を先駆けることとなった「Optic」も含まれていました。
しかし、68か国の数千の港で現地顧客のニーズに応えられるシステムを構築してデプロイするという大きな課題をまだ抱えていました。Opticなどのデジタル処理プログラムはすばらしい成果を上げ続けています」Ashwell氏はそう言います。「その結果さらなる機能を求める声が次々と上がり、当然ながらスピードが課題になり始めました。デプロイのスピードを維持しつつ、地域差に徐々に対応していけるような、手作業のコーディングより高速なアプローチを見つける必要がありました」。
68か国と2,500か所の国際港に応じたアプリケーションのカスタマイズは簡単ではありません。Inchcapeは顧客の需要に応えるためにすばやく行動する必要があると考え、OutSystems開発プラットフォームでアプリケーションを開発することにしました。
「最初は開発の高速さが最大の魅力でした」とAshwell氏は言います。「驚くほどの速さでアプリケーションを開発できたのです。68か国に対応できるようアプリケーションをカスタマイズするにあたり、このスピードは欠かせませんでした。それにも増して役に立ったのがアジリティです。OutSystemsのおかげで作業が非常に俊敏になり、アプリケーションのイテレーションや改良がさらに加速されました」。
連携は、Inchcapeがアプリケーション開発プラットフォームを選択する上で最も重視した基準の1つでした。「1日もかからず、OutSystemsをエンタープライズサービスバスとマスターデータ管理システムに接続することができました」Ashwell氏はそう述べます。「ほぼ視覚的な操作だけで大きな成果を出せることがわかり、OutSystemsによって開発が大幅に高速化するだろうとの期待が高まりました」。
最初に手がけたプロジェクトは、「One-DA」(「One Disbursement Account(立替金一元管理)」の略)という新しいアプリケーションの開発でした。これは、船舶の寄港時に発生するあらゆるサービスやコストの管理を含め、現地業務を最適化するアプリケーションです。
コストは、燃料補給、食料補充、廃棄物処理、保守作業、荷役、港湾費用など、複数のサードパーティのサービスに対して発生します。この費用は、船舶事業者から船舶代理業者に事前に支払われます。その支払い状況をリアルタイムで確認できることと、高速な照会機能で精算を最短で行えることは、Inchcapeの価値提案の鍵となりました。One-DAは、Inchcapeが信頼を築き、価値を提供し、顧客のERPシステムとの直接連携などの利便性を追加する上で要となる、非常に重要なアプリケーションです。
プロジェクトのビジョンは、立替金を一元的に管理でき、さらに国や港ごとの要件に応じて構成することが可能なシステムを構築することでした。
スケジュールが厳しかったため、InchcapeとOutSystemsは共同で新しい「One-DA」アプリケーションをデリバリーし、Inchcapeの開発者への知識移転も並行して行うことにしました。スクラムチームが2つ編成され、一方は連携に、もう一方は開発に集中的に取り組みました。合同チームは4か月足らずのうちにOne-DAの最初のイテレーションをクウェートで稼働させました。
「4か月でできたものは完全に期待を上回るものであり、しかも私が知る限りこれまで業界になかったものでした。小規模で俊敏な共同チームが非常に迅速に、かつ連携よく作業に取り組み、すべてを成し遂げたのです。従来の開発方法であれば12か月近くかかったに違いありません」
現在、One-DAアプリケーションは本番に移行しています。次の場所向けの構成も非常に短期間で完了しました。「世界的なデプロイが現在進行中であり、期待以上の成果が得られています」とAshwell氏は言います。 この迅速なロールアウトは、新型コロナウイルスのパンデミックによる移動制限やリモートワークの強化といった制約を受けながらも進みました。
「需要に応えるスピードが上がっていることも見過ごせません」Ashwell氏はそう言います。「OutSystemsのおかげで、非常に複雑な環境を極めてシンプルにすることができました。ローコードアプローチによって開発チームとビジネス部門の非常にアジャイルな連携も実現しました」。
「OutSystemsのおかげで、世界的なパンデミックの中でも業務を中断することなく、プロジェクトをすべて期限内に終わらせることができました」
この新しいアプリケーションにより、Inchcapeはテクノロジーを利用して世界で最も古い業界の1つのディスラプターになるという戦略を実現しました。コロナ禍による困難な状況の中にもかかわらず、2021年中には68か国1,500ユーザーへの展開を予定しています。
One-DAはモバイル、Web、メール、連携など複数のチャネルで利用できます。このため、寄港に関する情報が変更されたり、注意が必要になったりする都度、顧客は確実に最新の情報を受け取ることができます。
Inchcapeの世界各地の顧客にとってのメリットのひとつが、一貫性と透明性です。オーストラリアやザンジバルなど世界中のどの港に寄港するときでも、予算が港湾サービスにどう使用されているかを、一貫した用語で完全な透明性をもって確認することができます。
「寄港に関する業務と財務をリアルタイムで完全に可視化することで、信頼関係を築き、顧客の意思決定にも大きく貢献することができます。これが顧客との関係の強化や市場シェアの拡大につながると確信しています」
もう1つのメリットは標準のAPIやファイル転送を利用して顧客独自のERPシステムと連携できる点です。これによって照合プロセスや財務報告を効率化できます。
優れた意思決定には情報が不可欠です。Inchcapeの情報サービスを利用することで、船舶事業者は最大限効率的な航海や寄港を計画し、コストのかかる遅延や船舶遊休時の違約金を避けられるようになりました。
「OutSystemsのおかげで、世界的なパンデミックの中でも業務を中断することなく、プロジェクトをすべて期限内に終わらせることができました」Ashwell氏はそう述べます。「今ではグローバルなアプローチに支障を及すことなく、現地でのデリバリーを迅速に行えます。これは非常に大きな成功です。今後も様々な計画でOutSystemsを活用し、デジタルトランスフォーメーションを推進していきたいと思います」。