
BHC法対応業務のシステム化と ユーザーによる自走体制の構築に挑む
国内最大級の総合金融グループとしてグローバルにビジネスを展開する三菱UFJフィナンシャル・グループが、OutSystemsを採用し「BHC法(米国銀行持株会社法)」対応業務を支える新システムを構築した。ビジュアルモデリングを駆使した短期間での開発、実装反復による継続的改善、そして担当部署であるBHC法対応企画室メンバーによる内製化の推進にOutSystemsが貢献している。アビームコンサルティング株式会社が本プロジェクトを全面的にサポートした。
50%削減
数万社
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多くのグループ会社による、数万社の出資先の情報を統合
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)の融資企画部は、グループCRO(Chief Risk Officer)のもと、MUFGグループの信用リスク管理をグローバルで統括する組織である。与信制度や信用格付制度の設計・運用、国内外の金融規制対応や信用リスク管理などを通じて、MUFGの経営基盤を支える役割を担っている。
MUFGは世界中に数万という規模で様々な事業法人やファンドに投資しているが、米国で銀行業務を営む金融機関による事業法人やファンドへの出資・資本参加は米国銀行持株会社法(the Bank Holding Company Act of 1956。以下、BHC法)による規制の対象となる。2021年に融資企画部内に設置されたBHC法対応企画室のミッションは、出資案件のゲートキーパーとして、BHC法関連規制(銀行による自己資金での投機的な売買を制限するボルカー・ルール対応を含む)への適合性を確認すること、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する「年次報告(FR Y-7)」に欠かせない出資情報を確認・検証すること等である。
BHC法上のMUFGグループ会社において、出資先として管理が必要な事業法人やファンドは数万社に及ぶ。BHC法対応企画室は、わずか十数名の体制で、これらが統合された膨大な数を対象に、事業法人・ファンド情報、自社グループによる保有議決権数や議決権比率などの出資情報を最新の状態で管理しなければならない。
2024年4月、BHC法対応企画室はOutSystemsを採用し、BHC法対応業務を支える新システムの構築に着手した。山本氏をマネージャーとする本プロジェクトをサポートしたのは、OutSystemsによる豊富な開発の経験・知見を持つアビームコンサルティングである。
継続的な改善の「内製化」を可能に
OutSystemsの強みは、複雑なビジネスロジックや業務フローを、ビジュアルモデリングにより直感的にアプリケーション化できる優れた機能性にある。プロジェクトチームは、新システムを使用し、2025年7月に提出する年次報告(FR Y-7)への対応開始を目標としてタイムラインを設定した。プロジェクトをリードした融資企画部 BHC法対応企画室 調査役 森川克真氏は「ローコード開発プラットフォームによる開発期間の短縮は必須ですが、もうひとつ重要な要件がありました」と話し、次のように続けた。
山本氏・森川氏らは、これまでの経験から「システムは構築後の継続的な改善こそが重要」と考えていた。たとえば、新システムに登録するデータは多くのグループ会社・部署に提出を依頼しているが、その書式や項目は法令順守対応や効率性・品質向上のために常に見直していく必要がある。システムの機能が固定化されてしまうと環境の変化やユーザーとしてのニーズに応えられない。
アビームコンサルティングが開発したABeam OSF(OutSystems Framework)には、同社のOutSystemsによる大規模開発の経験・知見が注ぎ込まれた機能パーツやテンプレートが豊富に用意されている。ABeam OSFはローコード開発をさらに高速化するとともに、開発の標準化と均質化に貢献した結果、開発知見のない業務部門の行員が開発に参画するなど本プロジェクトでも大きな威力を発揮した。
短期間での開発、実装反復による継続的改善
数万行に及ぶ巨大なExcelシートとAccessが支えてきた業務フローは、OutSystemsで開発された新たな「MUFG BHC法プラットフォーム(新システム)」に置き換えられた。プロジェクトの初期段階より、BHC法対応企画室のメンバーにアビームコンサルティングを交えて「業務フローやデータ構造のあるべき姿」が徹底的に議論されたという。
プロジェクトは、OutSystemsとABeam OSFにより短期間でプロトタイプを開発し、画面や動作を確認しながら完成度を高めていく「実装反復」(実装と改善を繰り返す開発手法)を採用した。このアジャイル型アプローチは、ユーザー部門が主導するシステム開発において特に有効だった。
新システムでは、登録・計算・出力まで業務プロセス全体に使いやすいユーザー画面が提供され、これまで問題視されてきた非効率な業務の多くが解消された。
新システムは、2025年7月の年次報告(FR Y-7)に向けて本番環境として利用が開始された。MUFGクラウド上に構築されたシステムは優れた性能を発揮し、数時間を要していた議決権比率計算を10分程度にまで短縮させた。
新システムによる業務効率化は最大で30%に達したという。今後の展開を見据えつつ山本氏は次のように結んだ。
株式会社 三菱UFJフィナンシャル・グループ
• デジタルエクスペリエンスのカスタマイズ
• アジャイル文化
• 自動化と効率化
• エクスペリエンス
• 効率化
OutSystemsのデモ
